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国家公務員の退職金、平均でいくら?

2017年3月15日 20時28分 配信 あるじゃん(All Aboutマネー)

◆国家公務員の退職金、平均相場はどれくらい?

巷には「公務員の退職金は高額」という認識が浸透しています。かくいう筆者も漠然と「そうなのよね」と思っています。実態はどうなのでしょうか。国家公務員の退職金(正式名称は「退職手当」)について調べてみました。

◆常勤の国家公務員は約26万6000人

国家公務員は、大臣や国会議員、裁判官・裁判所職員、防衛省職員・自衛隊員などの特別職と行政職や外交官、税務署職員などの一般職に分かれています。平成28年度の国家公務員(おおよそ平成28年度末予算定員)は約58万人で、特別職が約30万人(51.1%)、一般職は約29万人(48.9%)です。

国家公務員の退職手当制度は、「独立行政法人の役員や国会議員とその秘書などを除く常時勤務あるいはこれに準じるもの」が対象です。平成28年7月1日現在の常勤職員数は約26万5839人(内閣人事局「一般職国家公務員在職状況統計表」)。前年より193人減少しています。在職者数トップ5は次の通りです(カッコ内は構成比)。

・行政職俸給表(一) 14万8980人(56.04%)
・税務職俸給表 5万2420人(19.71%)
・公安職俸給表(二) 2万3292人(8.76%)
・公安職俸給表(一) 2万3016人(8.66%)
・専門行政職俸給表 7877人(2.96%)

◆退職金は「俸給表」をもとに計算される

退職金は上記を含む20の俸給表の適用範囲に基づいて計算されます。

(例)

・政職俸給表(二):守衛や用務員、自動車運転手、理美容師、調理師など
・税務職俸給表:国税庁に勤務し租税の賦課及び徴収に関する事務に従事する職員(国税庁の局長や国税不服審判所の所長・次長・首席国税審判官など一定の職員を除く)。

約56%を占める行政職俸給表(一)は、行政職俸給表(一)を除く19の俸給表の適用を受けないすべての職員を適用範囲とします。

◆国家公務員の退職金の計算方法

国家公務員の退職手当額は、次の計算式で算出します。

「基本額(退職日の俸給月額×退職理由別・勤続年数別支給率)+調整額」

退職理由のうち、定年退職の場合の支給率はつぎのとおりです。

・勤続年数20年 25.55625
・勤続年数25年 34.5825
・勤続年数30年 42.4125
・35年以上 49.59(一律)

計算式にある「調整額」とは、平成18年4月に施行された制度です。「在職期間中の貢献度をより適格に反映して、人材流動化等にも対応できる制度となるようにとの観点から、民間企業のポイント制の考え方を国家公務員の人事管理、人事運用等に合わせた形で取り入れた、いわば『職責ポイント』に相当する制度」(総務省)というものです。

ちなみに国家公務員の定年年齢は原則60歳ですが、検事総長や検察官、医師、守衛、用務員など職種によっては61~65歳が定年年齢になります。

※民間企業が近年導入しているポイント制退職金は、勤続年数や職能・職務等級、役職などに応じて付与されたポイントを積み立てて、退職時に累積ポイント数に単価を乗じて退職金を算出します。計算式は「ポイント累計数×ポイント単価×退職事由別支給係数」です。

◆国家公務員の退職金は平均1149.9万円

内閣人事局「退職手当の支給状況」平成27年度によると、常勤職員の平成27年度中の退職者は3万1500人で、平均退職手当は1149.9万円です。うち常勤職員の約56%を占める行政職俸給表(一)の退職者は5968人(退職者の約19%)で、平均退職手当は1571.3万円です。

退職理由別の退職手当受給者数と平均退職手当は次の通りです。

●常勤職員
退職者数3万1500人 平均退職手当1149.9万円
<内訳>
定年 1万2701人 2181.3万円
応募認定退職 1551人 2805.2万円
自己都合 5853人 351.3万円
その他 1万1395人 185.2万円

●うち、行政職俸給表(一)適用者
退職者数5968人 平均退職手当1571.3万円
<内訳>
定年 2847人 2239.8万円
応募認定退職 909人 2419.3万円
自己都合 1024人 513.5万円
その他 1188人 232.1万円

※その他は、任期制自衛官等の任期終了(常勤職員)や死亡等による退職を含む。

応募認定退職とは、平成25年10月31日で廃止された「勧奨退職」に代わって導入された制度です。退職手当の支給率は定年退職と同率ですが、勤続年数20年以上で定年前6月を超え15年以内の退職者に対しては定年前1年につき3%(定年前1年以内の人は2%)割増があります(最大45%)。

◆定年退職金は平均2181.3万円

定年退職したのは1万2701人で平均退職手当は2181.3万円、うち行政職俸給表(一)適用者は2847人(定年退職者の約22%)で、平均退職手当は約2239.8万円です。では、年齢別の定年退職者数と平均退職手当を見てみましょう。

●常勤職員
定年退職者1万2701人 平均定年退職手当2181.3万円
<内訳>
50~54歳 4422人 1944.1万円
55~59歳  822人 2509.0万円
60歳以上 7457人 2285.9万円

●うち行政職俸給表(一)適用者
定年退職者2847人 平均定年退職手当2239.8万円
<内訳>
60歳以上 2847人 2239.8万円

◆退職金額別の受給者数の割合

定年退職手当支給額別の受給者数の割合が最も高いのは、常勤職員・行政職俸給表(一)共に2000~2500万円未満でそれぞれ55%、51%を占めます。次いで常勤職員は1500万円~2000万円未満、2500万円~3000万未満と続き、行政職俸給表(一)は2500万円~3000万円未満、1500万円~2000万円未満が続きます。

●常勤職員
2000~2500万円未満 6997人 55%
1500~2000万円未満 3349人 26%
2500~3000万円未満 1627人 13%

●うち、行政職俸給表(一)適用者
2000~2500万円未満 2427人 51%
2500~3000万円未満 287人 10%
1500~2000万円未満 93人 5%

ちなみに、常勤職員の1.4%に高額な退職手当が支給されています。内訳は、4000~5000万円未満が294人(うち定年退職70人)、5000~6000万円未満が100人(うち定年退職者14人)、6000~7000万円未満が53人(うち定年退職者26人)、7000~8000万円未満が2人(うち定年退職1名)。行政職俸給表(一)適用者だけを見ると、3000~3500万円未満が42人(うち定年退職者4名)、4000~4500万円未満が4人(うち定年退職者1名)、4500~5000万円未満が1名(=定年退職者)です。

◆民間の退職一時金は約1600万円

国は国家公務員と民間企業の退職金の格差を約400万円とし、平成25年から国家公務員の退職金を段階的に引き下げました。その時に想定した民間企業の退職金は一時金1041.5万円+企業年金1506.3万円です。

厚生労働省「平成25年就労条件総合調査結果の概況:結果の概要(退職給付(一時金・年金)の支給実態)」によると、民間企業で退職給付制度がある企業は75.5%。退職給付制度の形態は、一時金制度のみが65.8%、退職年金制度のみは11.6%、両制度併用はわずか22.6%に過ぎません。

平成25年の民間企業の退職金制度と退職金額の内訳は次の通りです。

●大学卒(管理・事務・技術職)
退職一時金制度のみ 1567万円
退職年金制度のみ 2110万円
両制度併用 2562万円

●高卒(管理・事務・技術職)
退職一時金制度のみ 1470万円
退職年金制度のみ 1822万円
両制度併用 2272万円

勤続35年以上の大卒者の定年退職給付一時金が1567万円に対し、国家公務員(常勤職員)の勤続35年~39年定年退職者への平均退職手当は約2400万円です。退職一時金のみで受け取る場合は、公務員のほうが民間よりまだ833万円も高く、両制度併用の場合でやっと150万円多くなります。

2015年10月の年金改正により共済年金と厚生年金が統一され、共済年金の「職域加算」は廃止、その代り「年金払い退職給付」が創設されました。それにより年金受給額がじわじわと少なくなりますが、ここしばらくはセカンドライフの収入源である退職金と公的年金給付額の優位性は続きます。「公務員はいいよな」というフレーズはまだまだ生き続けそうです。
All About ガイド:大沼 恵美子

最終更新:2017年3月15日 20時28分

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