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人生100年時代~私たちの年金はどうなるの?

2018年09月25日
人生100年時代~私たちの年金はどうなるの?

人生100年時代ともなると、私たちの生活にさまざまな変化が起こっていきます。「何歳まで生きるかわからない」という問題がこれまでもありました。私たちの命が尽きる前に、お金が尽きてしまうかもしれない。こうした不安のことを「長生きリスク」と言います。一般的に長生きはいいことですが、人生が100年となるとお金の不安は大きくなるばかりです。私たちの老後の収入の柱である公的年金は、今後どのように変化していくのでしょうか。


公的年金の歴史は支給開始年齢の引き上げの歴史

わが国の民間向けの公的年金の起源は1939年に始まった船員保険です。1942年には労働者年金保険がスタートし、1944年には厚生年金保険に名称が変わりました。当時は戦時中。年金の保険料はいますぐ徴収できますが、支払は数十年先。そんな特徴から戦費調達を目的として始まったのです。

1945年に戦争が終わり、その翌年の1946年、後に国民的マンガとなる「サザエさん」の連載が始まりました。マンガに登場する磯野家の大黒柱であるお父さん「磯野波平」さんは、まるでおじいさんのように見えますが54歳の設定です。この当時は男性の平均寿命が50歳(1947年)。55歳が会社の定年年齢であり、年金支給開始年齢でした。波平さんは定年間際どころか、平均寿命を超えています。おじいさんという見た目も納得できる状況なのです。

その後、国民の平均寿命は右肩上がりで伸びました。それにあわせ、1954年の改正で男性の支給開始年齢を55歳から60歳へと引き上げることが決まりました(女性は1985年の改正)。そして現在は、年金支給開始年齢が60歳から65歳へと段階的に引き上げられている最中。男性は2025年に女性は2030年に完了します。


いよいよ議論が始まる?さらなる年金支給開始年齢の引き上げ

現在の平均寿命は男性81.09歳、女性87.26歳です。公的年金の支給が始まる65歳時点での平均余命を見ると男性19.57年、女性24.43年となります(平均寿命、平均余命は厚生労働省簡易生命表(2017年)より)。私たちは平均的にこれだけの期間の年金を受け取ることになります。ただ、これから人生100年時代を迎えるとなると、今後もこの年数が年々伸びていくことになります。

徐々に引き上げられてきた年金支給開始年齢ですが、海外の年金支給開始年齢を見ると67歳~68歳が主流になってきているようです。日本はこうした国々よりも平均寿命の長い国です。現在の65歳という支給開始年齢は、海外の国並みに67~68歳へと引き上げられる可能性が高そうです。

<図表>諸外国の年金支給開始年齢

(財務省資料「社会保障について(参考資料)平成30年4月1日」)

  引上げ内容 決定時期 開始時期
(完了時期)
決定から
開始までの
期間
2050年時点の
平均受給期間
勤労者世代人口(20~64歳)の
高齢者人口(65歳以上)に対する
比率(2012年→2050年)
日本 60歳→65歳
(報酬比例部分・男性)
2000年 2013年
2025年
13年 男性:21.9年 2.4人→1.3人
60歳→65歳
(報酬比例部分・女性)
2000年 2018年
(2030年)
18年 女性:27.0年
米国 65歳→67歳 1983年 2003年
(2027年)
20年 男性:18.8年
女性:21.7年
4.4人→2.5人
英国 65歳→68歳 2007年 2018年
(2046年)
11年 男性:18.2年
女性:20.9年
3.5人→2.2人
ドイツ 65歳→67歳 2007年 2012年
(2029年)
5年 男性:19.1年
女性:22.0年
2.9人→1.5人
フランス 満額受給:65歳→67歳
(一部受給:60歳→62歳)
2010年 2016年
(2022年)
(一部受給:2011
→2017年)
6年 男性:18.9年
女性:23.1年
3.3人→2.0人
イタリア 66歳(民間女性労働者62歳等)
→一律66歳、その後
平均余命の伸びに連動
(2021年に67歳
2010年、
2011年
2012年
(2018年)
1年 男性:17.9年
女性:21.4年
2.9人→1.5人


40年働く時代から50年働く時代へ

諸外国の年金制度を見てみると受給期間がおおむね20年前後を目安に運営されていることがわかります。つまり、平均寿命や平均余命が延びていくにつれ、年金の支給開始年齢を引き上げていくことが予想されます。もしも本当に人生100年時代がやってくるのであれば、そのころには年金は80歳から支給と言う時代になっているかもしれません。まるで蜃気楼のようです。

さらに、年金の支給開始年齢が延びてしまえば、私たちの退職年齢も延びることになります。現役時代によほどのお金を貯めることができれば早くに引退できますが、普通は年金をもらえないなら働いて収入を得る必要があるでしょう。

少し前までは20歳前後から60歳まで40年間働けば、悠々自適の老後が待っていると考えられていました。ところが、今では65歳まで、もう少しで70歳まで50年間働くことが必要な時代が迫っています。それだけ長い期間、働けるほど知力、体力が続くのか不安は大きいです。それだけがんばって働いても、高齢期では生活費を稼ぐのが精いっぱいでしょうから、悠々自適の老後は程遠い状況なのが残念なところです。

そんな状況の中、さらに新しい案が浮上しています。それは老齢基礎年金のカットです。所得が一定以上に高い人は最大老齢基礎年金の半分をカットするという案です。年収850万円以上の人が対象なので普通は大丈夫ですが、老後に働く人だけでなく、賃貸住宅経営をしている人などは該当する可能性があるでしょう。普通の人は関係のない削減案ですが、カットされる基準の収入のバーは変えることができるので注意が必要です。

現在でも老後の所得が高い人には、老齢厚生年金がカットされる在職老齢年金という制度があります。一方で、老齢基礎年金は所得に関係なく受け取ることができていました。この削減案が実現すれば、高所得者は老齢厚生年金だけでなく老齢基礎年金もカットの対象となります。


自分で備えるには年金保険だが

このように人生100年時代に、年金制度がどんどん良くなる可能性はほとんどないでしょう。私たちが自分で老後に備えていく必要性が高まるばかりです。

個人で老後リスクに備えるための商品として「個人年金保険」という商品があります。個人年金保険には終身年金という、生きている限り年金を支払ってくれる商品があります。終身年金保険を準備できれば長生きしても安心ですね。ところが、こうした個人年金保険は一般的に固定金利商品。この低金利環境下ではどうしても商品性が悪くなります。終身年金保険を試算すると、平均余命よりも長く生きなければ払い込んだ保険料分以上の年金を受け取れない計算になることが多くなっています。平均よりも早く亡くなることも当然ありますし、途中で解約することになれば損をする可能性が高くなります。

それであれば、保険以外の商品にも目を向けてみましょう。たとえば、大きな企業にお勤めであれば会社に「拠出型企業年金」と呼ばれる商品に加入できることがあります。こちらは利率が変動するタイプ。現在でも1.2%程度の予定利率になっている商品が多いですし、将来利率が上がった時でも対応できます。

また、掛金が全額所得控除でき節税しながら老後資金を貯められる個人型確定拠出年金制度(iDeCo)や、運用益を非課税で受け取れるつみたてNISAなども組み合わせて、上手に老後に向けて備えていきましょう。



藤川太(家計の見直し相談センター) 執筆:藤川太家計の見直し相談センター
ファイナンシャルプランナー。山口県出身。慶応義塾大学大学院理工学研究科を修了後、自動車会社で燃料電池自動車の研究開発に従事していたが、ファイナンシャルプランナーに転身し、「家計の見直し相談センター」で生命保険の見直しを中心とした個人向け相談サービスを展開している。同センターは2001年の設立以来10000世帯を超える相談を受けてきた。「分かりやすい、納得できる、利用しやすい」サービスを目指して活動中。
2008年10月、簡単書き込みで家計がみるみる生まれ変わる資産マネジメント手帳『貯まる!資産3倍手帳』を出版。 その他の著書として『サラリーマンは2度破産する』などがある(共に朝日新聞出版)。



(情報提供:家計の見直し相談センター)


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