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106万円の壁! パートはどれだけ働くのが得なの

2018年07月25日
106万円の壁! パートはどれだけ働くのが得なの

以前はパートタイマーとして働く労働者は所得税がかかり始める「103万円の壁」と、配偶者の扶養から外れ社会保険料がかかり始める「130万円の壁」の2つを意識して働いていました。ところがそこに新しく2016年から「106万円の壁」、2018年から「150万円の壁」が登場しました。これらの新しい壁が登場したいま、パート労働者はいくらまで働くのが得なのか夫が会社員で、妻がパートというケースを例として検証してみましょう。


150万円の壁はあまり気にせず働こう

夫の所得からは配偶者控除か配偶者特別控除をすることができます。控除できればその分だけ所得が減るので税金も安くなる、控除が減ればその分税金が高くなる、という仕組みです。2018年1月から配偶者控除・配偶者特別控除の適用条件が変わり登場したのが150万円の壁です。

これらの控除額は2018年から下図のように夫婦それぞれの所得によって異なるようになりました。まず控除する夫の合計所得が1000万円を超える人はこれらの控除を受けることができなくなりました。給与所得だけの方であれば年収1220万円超の方が目安です。1000万円までいかなくても900万円(給与収入だけであれば年収1120万円程度)を超えると削減されるようになりました。

妻側のパート収入の多寡によっても控除が変わります。これまではパート収入だけの場合、年収が103万円を境として配偶者特別控除額が減っていきましたが、2018年からはこの境目が150万円に引き上げられました。控除額は収入が増えるにつれ減っていき年収が201万円以上となるとゼロになります。

<図表>配偶者控除と配偶者特別控除の額

配偶者の合計所得金額 パート収入目安
控除を受ける人のその年における合計所得金額
900万円以下 900万円超
950万円以下
950万円超
85万円以下 150万円以下 38万円 26万円 13万円
85万円超
90万円以下
150万円超
155万円以下
36万円 24万円 12万円
90万円超
95万円以下
155万円超
160万円以下
31万円 21万円 11万円
95万円超
100万円以下
160万円超
166.7万円以下
26万円 18万円 9万円
100万円超
105万円以下
166.7万円超
175万円以下
21万円 14万円 7万円
105万円超
110万円以下
175万円超
182.9万円以下
16万円 11万円 6万円
110万円超
115万円以下
182.9万円超
190万円以下
11万円 8万円 4万円
115万円超
120万円以下
190万円超
197.1万円以下
6万円 4万円 2万円
120万円超
123万円以下
197.1万円超
201.4万円以下
3万円 2万円 1万円


大企業で働く人は106万円の壁に注意

2016年に登場した「106万円の壁」。これまでは年収が130万円を超えると配偶者の扶養から外れ自分で社会保険に加入しなくてはなりませんでした。政府としては扶養の基準を引き下げることで加入者を増やし、社会保険料収入を増やそうという動きです。

ただ、年収が106万円を超えると機械的に扶養から外れるというものではありません。以下のような4つの基準をすべて満たした場合に適用されます。

【適用条件】

(1)1週間の所定労働時間が20時間以上

(2)1カ月の賃金が88,000円以上

(3)勤務期間が1年間を超えると見込まれる

(4)勤務先が従業員501人以上の大企業

まず一番重要なのが従業員501人以上の大企業で働いていること。該当しなければ適用されません。次に週に20時間以上働き、月の賃金が8万8000円以上であること。この月8万8000円を単純に12月分掛算すると105万6000円になります。ここから106万円の壁と呼ばれています。

時給1000円の人であれば週21時間程度働けば8万8000円を超えることになります。大企業以外で働いている人でも週30時間以上働けば社会保険に加入義務があるので注意しましょう。


106万円の壁を超えると手取り収入が大幅減

150万円の壁は夫の手取り収入に影響があり、106万円の壁はパートをする妻の手取り収入に影響が出ます。それぞれの影響を見るために、夫婦合算した世帯収入の変化を試算してみました。ここでの前提は夫の年収は600万円で妻のパート収入を0~200万円まで変化させたグラフが以下の通りです。

<図表>106万円の壁と130万円の壁、そして150万円の壁

【試算の前提条件】

106万円の壁と130万円の壁、そして150万円の壁

まず、このグラフを見ると150万円の壁は世帯収入に大きな影響がないことが分かります。夫の収入から差し引ける控除額が小さくなっていくので当然ながら収入の伸びは低くなりますが、グラフで見るとこの程度です。

やはり、気になるのが106万円の壁でしょう。従来の130万円の壁との違いを年収120万円の場合の手取り金額で比較してみましょう。

(1)106万円の壁にかからない場合

年収130万円までは社会保険は夫の扶養のままです。この場合は妻の収入から所得税と住民税が引かれるだけなので、世帯の手取り収入合計は約581万円です。

(2)106万円の壁にかかる場合

妻は所得税・住民税だけでなく社会保険料を払う必要があります。この場合は世帯の合計手取年収は約565万円にまで減ってしまいます。その差は年16万円、結構大きいですね。


手取り収入は減るが将来の年金は増加する

このように106万円の壁にかかってしまうと手取り収入が大きく減りますが、減ったお金の一部は厚生年金保険料として払われます。つまり将来の年金額が増えることになります。

先ほどの例のようにパート収入が年120万円ほどであれば、手取り収入の減少は年16万円ほど。一方で将来増えると期待される年金額は年6500円程度です。この額を65歳から受け取りはじめ85歳まで20年間にわたり受け取ったとすると合計13万円。もっと長生きすればもっともらえます。これだけでは手取り減少分をカバーできませんが、かなりの部分はカバーできており、全く無駄とはいえなさそうです。

ただ、これらはあくまで現行の制度です。これからも、社会保障財政は厳しさを増すことが想定されており、新しい壁が私たちの前にまた現れるかもしれません。私たちが働いて得る収入から差し引かれる税金や社会保険料は、放っておけば増えていく方向と考えておいた方がいいでしょう。

働けるならできるだけ働き収入を増やしたいところですが、働いて得た収入を少しでも手取り収入にできるよう工夫したいところです。掛金を全額所得控除できる個人型確定拠出年金(iDeCo)や、保険料の一部を保険料控除できる個人年金保険などを活用して節税をしつつ将来の資産作りに役立てたいものですね。



藤川太(家計の見直し相談センター) 執筆:藤川太家計の見直し相談センター
ファイナンシャルプランナー。山口県出身。慶応義塾大学大学院理工学研究科を修了後、自動車会社で燃料電池自動車の研究開発に従事していたが、ファイナンシャルプランナーに転身し、「家計の見直し相談センター」で生命保険の見直しを中心とした個人向け相談サービスを展開している。同センターは2001年の設立以来10000世帯を超える相談を受けてきた。「分かりやすい、納得できる、利用しやすい」サービスを目指して活動中。
2008年10月、簡単書き込みで家計がみるみる生まれ変わる資産マネジメント手帳『貯まる!資産3倍手帳』を出版。 その他の著書として『サラリーマンは2度破産する』などがある(共に朝日新聞出版)。



(情報提供:家計の見直し相談センター)


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