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共働き世帯の保険の注意ポイントは

2018年06月25日
共働き世帯の保険の注意ポイントは

かつてのわが国のモデル世帯と言えば専業主婦世帯でした。男性が外で働き収入を得て、女性が家を守る。昭和の時代はそんな家庭が当たり前と考えられていました。ところが、平成に入り共働き家庭と専業主婦家庭の割合は逆転。いまでは世帯数で共働き世帯が片働き世帯の倍ちかくにもなり、もはや当たり前となりました。では、共働き世帯は専業主婦世帯と比べたとき、入るべき保険にはどのような差があるのでしょうか。


共働き家庭の夫の死亡保障は小さくなる

人に対する保障である生命保険と物に対する保障である損害保険。この2つに分けて考えた時、損害保険に関しては専業主婦家庭と共働き家庭で異なる点はありません。違いが出るのは生命保険分野です。

では、生命保険分野を死亡保障と医療保障に分けて考えてみましょう。まず夫の死亡保障、つまり夫が亡くなった場合に遺された妻や子どもが生活していくための保障はどうなるでしょうか。死亡保障を設計するためには一般的に必要保障額を計算します。必要保障額の計算方法はいろいろあるのですが、ここでは簡単に遺族の支出の累計から遺族の収入や金融資産などを差し引くことで計算してみます。

ある専業主婦家庭で必要保障額を計算すると下図のようになりました。まず支出側を見ると生活費の累計が約7,700万円、住居関連費用が2,900万円、子ども関連費用が2,200万円、その他の費用が約1,200万円、合計で約1億4,000万円のお金を使う計算です。
一方の収入を見てみると、遺族年金や老齢年金が約5,900万円、会社からの保障が500万円、妻がパートで得る給料(年100万円)が2,500万円、貯蓄が500万円、合計で約9,400万円の収入が見込まれます。ちなみに支出、収入それぞれ妻が90歳になるまで累計しています。
支出の累計が約1億4,000万円で収入の累計が約9,400万円なので差し引き約4,600万円お金が足りません。この金額が「必要保障額」です。この金額以上の死亡保障を確保しなければ、いざというときに家族が困ると予想されるのです。

<図表>夫が亡くなった場合の必要保障額の計算例

夫が亡くなった場合の必要保障額の計算例

共働き家庭でも同じように必要保障額を計算しますが、専業主婦家庭との違いが表れやすいのは次の2点です。

支出面では住宅ローンです。住宅ローンは夫が単独で借入を行っている場合、夫が亡くなった際に団体信用生命保険から保険金が支払われ残債がなくなります。ところが、妻が働いてまとまって収入を得ている場合、夫婦別々に借入をするペアローンを組むケースが多く見られます。この場合、夫分の借り入れはなくなっても、妻分の借り入れは残ることになります。この例では月5万円を残り30年分の返済が残り1,800万円を計上しています。これは必要保障額が増える要因となります。

次に収入面です。専業主婦家庭では夫に万一のことがあった場合には、妻は年100万円程度のパート収入を得るとして計算をしました。妻のこれまでのキャリア次第ですが、就職してまとまった収入を得る自信を持てるケースは少ないでしょう。一方で、共働き家庭であればすでに収入額が分かっています。ここでは年300万円の収入を得ているとして計7,500万円の収入を計上しています。こちらは収入の多い分が必要保障額の減少要因です。

つまり、この例では支出が1,800万円増え、収入が5,000万円増えたので必要保障額は3,200万円減少の1,400万円になりました。共働きが当たり前になるにつれ、夫には高額な死亡保障という常識は過去のものとなりつつあります。


妻の死亡保障は意外に高くなる

一方で妻の死亡保障を考えてみましょう。専業主婦家庭で必要保障額を計算するとマイナスの金額となることが多くあります。これは、夫がしっかりと稼いでいれば、支出の累計よりも収入の累計の方が大きくなり、妻に死亡保障をかけなくても遺族は生活ができることを意味します。ただ、夫に家計管理能力がなく、妻がいなければ生活費が高くなってしまう場合、夫の収入だけでは生活費や教育費がまかなえない場合もあります。その場合は、専業主婦であっても数千万円の死亡保障を掛けておいた方がいいというケースがあります。
特に共働き家庭の場合は、妻の収入があることを前提に家計が組まれ、もともと専業主婦家庭よりも生活レベルが高いケースが多くみられます。そうした家庭では必要保障額が高くなるケースが多くなります。

さらに、男性に比べ女性の死亡保障を考える際に考慮すべきは、住宅ローンと遺族年金です。前述したように住宅ローンは男性が借りるケースが多く、その場合、妻が亡くなっても住宅ローンはなくならないため返済負担が続きます。また、妻が亡くなった場合に遺族が受け取れる遺族年金の総額は男性が亡くなった場合に比べ一般的に少なくなります。
これまでの相談事例では、夫よりも妻の方が収入の高い家庭のケースで、妻に5,000万円以上の死亡保障が必要という結果になったこともありました。意外に妻の死亡保障は必要なのです。


医療保障はどちらも考え方は変わらない

次に医療保障を考えてみましょう。基本的に医療保障は病気やケガをした際に、治療にかかる医療費をカバーするためのものです。そうした意味では、専業主婦家庭、共働き家庭それぞれかかる医療費は変わりませんので必要な医療保障は同じということになります。
変わるとすれば最近たくさん商品が登場している就業不能に対する保障でしょう。病気やケガの際の医療費は公的健康保険のおかげで一定限度の負担に抑えられます。むしろ心配なのが、大きな病気やケガをしてしまったことによって収入がなくなることです。そもそも収入がないなら気にする必要はありませんが、共働きであれば妻にも就業不能リスクがあることになります。

ただ、就業不能になったとしても会社員であれば公的健康保険から傷病手当金という公的な所得補償を受けることができます。就業不能保険に加入するのは、傷病手当金をもらったとしても生活が成り立たないと考える場合です。保障が必要であれば、傷病手当金ではカバーできない金額を確保するといいでしょう。

このように家族の形が変われば必要な保険も変わります。相談を受けていると、他の人はどうしているのかよく質問されます。傾向はあっても、これが常識、相場というものはありません。それぞれの家族にあわせて必要な保障の種類、額、期間を計算して保険は設計しましょう。



藤川太(家計の見直し相談センター) 執筆:藤川太家計の見直し相談センター
ファイナンシャルプランナー。山口県出身。慶応義塾大学大学院理工学研究科を修了後、自動車会社で燃料電池自動車の研究開発に従事していたが、ファイナンシャルプランナーに転身し、「家計の見直し相談センター」で生命保険の見直しを中心とした個人向け相談サービスを展開している。同センターは2001年の設立以来10000世帯を超える相談を受けてきた。「分かりやすい、納得できる、利用しやすい」サービスを目指して活動中。
2008年10月、簡単書き込みで家計がみるみる生まれ変わる資産マネジメント手帳『貯まる!資産3倍手帳』を出版。 その他の著書として『サラリーマンは2度破産する』などがある(共に朝日新聞出版)。



(情報提供:家計の見直し相談センター)


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