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生命保険料の値上げラッシュ!何が起きているの?

2017年03月27日
生命保険料の値上げラッシュ!何が起きているの?

多くの生命保険会社から2017年4月2日以降の保険料改定についての発表が相次いでます。その内容のほとんどが「保険料の値上げ」。もちろんすでに入っている保険には影響はありません。新規に加入する保険の保険料が上がるということです。家計に厳しい改定ですが、どうしてこんなことが発生しているのでしょうか。


アベノミクスの影響が生命保険にも

2012年12月から続く自民党安倍内閣。安倍内閣の経済政策が「アベノミクス」です。アベノミクスでは3本の矢が放たれました。そのうちの一本が「大規模な金融緩和政策」です。金利を低くし、さらに市場へ大量にお金を供給することで経済を活性化しようというものです。実際にこの政策によって金利は低下しました。そして、ついに2016年1月に金融政策を担っている日本銀行は「マイナス金利」導入を決断しました。

マイナス金利とは言葉の通り、銀行にお金を預けても金利をもらうどころか、金利を払わなければならない状態をいいます。ただし、このマイナス金利は銀行が日本銀行に預けるお金の話。私たちが銀行に預けるお金の金利はゼロに近い低金利ですが、マイナスにはなっていません。いずれにしてもわが国の金利は非常に低い状態が長期に渡り続いています。


標準利率が1.0%→0.25%へと大幅低下へ

生命保険料を計算する際には保険期間中の運用利率を予定し、将来見込まれる運用益分の割引が行われます。この予定される運用利率のことを予定利率といいます。現在は金融庁の監督指標として標準利率が決められ、これを参考に保険各社が予定利率を決めて計算することになっています。

この標準利率が現在の低金利環境の影響を受け2017年4月から1.0%→0.25%へと下がるのです。これまでもバブル経済の崩壊以降、市場金利の低下にしたがってこの標準利率を引き下げてきました。今回は2013年以来4年ぶりの引き下げで、史上最低利率となります。0.25%というと私たちの預金の利率よりはいい程度で、非常に低い水準ですね。

契約日 予定利率/標準利率(*)
1985年4月2日~1990年4月1日 5.5%
1990年4月2日~1993年4月1日 5.5%
1993年4月2日~1994年4月1日 4.75%
1994年4月2日~1996年4月1日 3.75%
1996年4月2日~1999年4月1日 2.75%
1999年4月2日~2001年4月1日 2.0%
2001年4月2日~2013年4月1日 1.5%
2013年4月2日~2017年4月1日 1.0%
2017年4月2日~ 0.25%

*1996年4月2日以降は標準利率。それ以前は予定利率。


標準利率が下がると保険料は上がる

たとえば、死亡保険を例にとると、若い時期よりも高齢期の方が死亡率は高くなります。ところが、保険料は若い時期も高齢期も同じ額で支払うことが一般的です。つまり、私たちは若い時期は将来に備えて余分にお金を払っています。保険会社は私たちの支払った保険料の余分に払っている部分を、将来の保険金支払いが多くなる時期のために積み立てています。

保険会社が積み立てたお金は株式や債券などで運用されています。運用益を多く見込めるなら、それだけ保険料を安く抑えることができます。逆に見込めないなら保険料が高くなります。前述したとおりに、この運用率を将来にわたって予定したものが予定利率ですが、この予定利率が下がるということは、運用益がそれだけ見込めなくなるので保険料が高くなることにつながります。


貯蓄性の高い保険と保険期間が長い保険は大幅アップ

今回のように標準利率引き下げに伴う値上げは終身保険のように保険期間の長い保険、養老保険や学資保険、年金保険のように貯蓄性の高い保険は大きな影響を受けます。
そして、今回の標準利率の改定は月払いなどの一時払いではない商品が対象となります。一時払いの商品については標準利率を3か月に1度改定するかどうか判断され、市場の相場の動きが反映されやすくなっています。そのため、昨年は一時払い商品の売り止めや、保険料値上げが相次ぎました。

ただ、勘違いをしてはいけないのは、標準利率が下がったからと言って、値上げをしなければいけないわけではありません。あくまでも保険会社の判断です。むしろ、一部の商品を値下げした会社もあります。

では、実際に値上げに踏み切った会社は、どの程度の値上げをしたのか見てみましょう。たとえば、終身保険は保険期間が一番長くなるのでもっとも影響を受けると考えられます。保険料値上げをした会社の例を調べてみると、20%前後の大幅値上げをした会社も見られます。その値上げ幅も男性よりも女性の方が大きくなっています。また、年齢別でみても、若い年代ほど値上げ幅が大きくなっています。これは男性よりも女性の方が、高齢層よりも若年層の方が平均余命は長く利率の影響を受けやすいためです。

<終身保険の保険料引き上げ例>

(1)会社による違い

  男性 女性
A社 +22.1% +27.3%
B社 +16.2% +20.1%

(2)年齢・性別による違い(B社の例、それぞれ60歳払込満了)

  男性 女性
30歳 +18.2% +22.0%
40歳 +16.2% +20.1%
50歳 +14.3% +18.2%


値上げによって保障性保険の重要性がより高まったが…

今回の改定は標準利率の引き下げなので、終身保険や年金保険など貯蓄性の高い保険の保険料値上げが相次ぎました。一方で、定期保険などの保障性の保険は影響を受けていません。保障と貯蓄を両方得ようとすると今回の値上げは大きくマイナスですが、保障を得るという一番大切な機能は維持されているわけです。生命保険は保障性を重視して加入する流れが一層強くなるものと思われます。

実はこの保障性の保険も保険料が改定される可能性が高まっています。死亡率を見込む標準生命表の改定が予想されているのです。前回の改定が2007年ですから、今年で11年目に入ります。実際の死亡率と標準生命表のかい離が大きくなると改定されることになっています。毎年1回12月に改定するかどうかが発表されますが、2018年に改定されることが予想されています。

平均寿命が延びている昨今ですから、死亡率が低下する方向への改定となることが予想されます。そうなると定期保険などの保障性の保険は保険料が下がることになりますので、見直し効果がより出やすくなります。こちらの動きにも注目していきましょう。



藤川太(家計の見直し相談センター) 執筆:藤川太家計の見直し相談センター
ファイナンシャルプランナー。山口県出身。慶応義塾大学大学院理工学研究科を修了後、自動車会社で燃料電池自動車の研究開発に従事していたが、ファイナンシャルプランナーに転身し、「家計の見直し相談センター」で生命保険の見直しを中心とした個人向け相談サービスを展開している。同センターは2001年の設立以来10000世帯を超える相談を受けてきた。「分かりやすい、納得できる、利用しやすい」サービスを目指して活動中。
2008年10月、簡単書き込みで家計がみるみる生まれ変わる資産マネジメント手帳『貯まる!資産3倍手帳』を出版。 その他の著書として『サラリーマンは2度破産する』などがある(共に朝日新聞出版)。



(情報提供:家計の見直し相談センター)


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