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大丈夫?意外に多い生命保険の税金問題(貯蓄性の受け取り編)

2017年01月27日
大丈夫?意外に多い生命保険の税金問題(貯蓄性の受け取り編)

生命保険に加入する際にはあまり気にする人は多くないのですが、保険の税金の扱いには注意が必要です。せっかく保険金を受け取ったのに、予想外に税金をたくさん払うことになり手取りが少なくなっては、経済的リスクをカバーできなくなるかもしれません。加入前に注意するのはもちろんですが、加入後も修正できますので確認してみましょう。


貯蓄型保険とは

「大丈夫?意外に多い生命保険の税金問題(死亡保険金編)(2016年09月26日)」では、定期保険や終身保険といった被保険者が死亡した場合に支払われる死亡保険金に対する税金の問題を解説しました。今回は満期保険金や解約返戻金などの貯蓄性の受け取りに対する税金に焦点を当てようと思います。

貯蓄性の保険といえば、養老保険、学資保険、個人年金保険といった商品が代表的です。養老保険や学資保険は契約時に決めた時期になれば、満期金や学資金を受け取ることができます。個人年金保険は年金支払い開始年齢以降、一定期間にわたり年金を受け取る分割払い商品です。

また、これらの貯蓄性保険だけでなく、終身保険も途中で解約すればまとまった解約返戻金を受け取ることができます。定期保険のような掛け捨て保険と思われているような商品でも、解約返戻金が受け取れる場合もあります。

こうした貯蓄性の受け取りのケースでの税金の扱いや注意点を見てみましょう。


養老保険や学資保険は契約者と受取人の関係に注意

養老保険や学資保険の満期保険金や学資金を受け取る場合、または保険を途中で解約して解約返戻金を受け取る場合、契約者と受取人の関係に注目しましょう。被保険者を見る必要はありません。

もしも、契約者と受取人が異なっている場合は要注意。この場合、受け取ったお金が贈与税の対象となってしまいます。税率が高く、思わぬ税金を払うことになります(参考:「大丈夫?意外に多い生命保険の税金問題(死亡保険金編)(2016年09月26日)」)。たとえば、親が契約者として保険料を払って、将来子どもが満期金を受け取るといった契約形態が散見されます。

<図表>満期保険金や生存保険金の課税関係

契約者 被保険者 受取人 税金の種類
A A A 所得税(一時所得扱い)+住民税
A B A
A A B 贈与税
A B B
A B C

一方で契約者と受取人が同じになっていれば問題ありません。この場合は、所得税(一時所得扱い)の対象です。最終的に他の所得と合算して総合課税となりますが、合算される一時所得は利益部分(満期保険金や解約返戻金から払込保険料を差し引いた部分)から50万円の特別控除を引くことができます。さらに課税対象となるのはその2分の1のみ。ですから、1年間に受け取る利益部分の額が50万円以内であれば課税されません。

たとえば、学資保険で満期前に受け取る中学、高校進学時の学資金は通常は利益が50万円を超えることはないでしょうから、税金の心配をする必要はありません。また、満期まで待てば利益部分が50万円を超え課税される場合は、満期の年の前年までに何度か部分的に解約して解約返戻金を受け取るのも一つの方法です。途中での解約の場合、満期まで待って保険金を受け取るよりも解約返戻金額の方が少なくなりますが、それぞれの年で一時所得の特別控除を使うことができるので税金を安くすることができます。上手に一時所得のルールを活用して手取り額をできるだけ多くしたいところです。

<図表>一時所得の課税方法(満期保険金の例)

一時所得=(満期保険金額+配当金-払込保険料)-特別控除額50万円

一時所得の課税対象額=一時所得×1/2


個人年金保険は受け取り開始年齢に注意

次に個人年金保険に見てみましょう。個人年金保険で年金を受け取る際は所得税(雑所得扱い)となります。受け取る年金から対応する支払い保険料部分を引いた金額が雑所得となり、他の所得と合算して総合課税されます。年金生活に入っていれば所得がそもそも低いので税率が高くなることもないかもしれません。

ただ、最近は60歳以降も働くことが普通になっています。ところが、個人年金保険に加入したのは昔の話。受け取り開始年齢が60歳からといったように、年齢が早いケースが多くみられます。もしも給与をもらいつつ個人年金の雑所得が上乗せとなると、税率が高くなってしまうことも考えられるので要注意です。

この場合は年金受け取り開始までに受け取り開始年齢を繰り延べするのも一つの方法です。もしも、予定利率の高いころに契約した個人年金保険であれば、受け取り開始年齢を繰り延べることで高い利率で運用してくれる期間が延び運用としても効果的でおススメです。

そして、個人年金保険の場合も、満期保険金などと同様に注意したいのが契約者と受取人の関係です。契約者と受取人がおなじであれば問題ありませんが、違っている場合は年金受給権が発生した際に年金受給権に対し贈与税がかかってしまいます。贈与税は高い税率になることが想定されるので要注意です。

<図表>個人年金保険の課税関係

契約者 被保険者 受取人 税金の種類
年金受給権発生時 年金受け取り時
A A A なし 所得税(雑所得扱い)+住民税
A B A
A A B 贈与税
(年金受給権が対象)
所得税(雑所得扱い)+住民税
(贈与課税されなかった部分が対象)
A B B
A B C


問題があるなら契約者か受取人の変更を

もしも、契約者と受取人が違っていて贈与税が心配という場合でも大丈夫。契約後でも契約者と受取人の変更は可能です。問題のないよう変更しましょう。ただし、個人年金保険に税制適格特約をつけて個人年金保険料控除を使っている場合には、受取人の変更はできませんので契約者の変更で対応しましょう。

保険に加入する時に税金まで考えて加入することはあまりないでしょう。いい機会ですから、自分の保険について調べてみてください。もしも、不安がある場合には、税金のことですから加入している保険会社や保険、税金の専門家に相談してみてください。



藤川太(家計の見直し相談センター) 執筆:藤川太家計の見直し相談センター
ファイナンシャルプランナー。山口県出身。慶応義塾大学大学院理工学研究科を修了後、自動車会社で燃料電池自動車の研究開発に従事していたが、ファイナンシャルプランナーに転身し、「家計の見直し相談センター」で生命保険の見直しを中心とした個人向け相談サービスを展開している。同センターは2001年の設立以来10000世帯を超える相談を受けてきた。「分かりやすい、納得できる、利用しやすい」サービスを目指して活動中。
2008年10月、簡単書き込みで家計がみるみる生まれ変わる資産マネジメント手帳『貯まる!資産3倍手帳』を出版。 その他の著書として『サラリーマンは2度破産する』などがある(共に朝日新聞出版)。



(情報提供:家計の見直し相談センター)


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