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生命保険料控除の申告は忘れずに行おう

2016年12月26日
生命保険料控除の申告は忘れずに行おう

今年も年末調整、確定申告の時期がやってきました。皆さんのお宅にも生命保険会社から申告に使用する生命保険料控除証明書が続々届いたはず。皆さんが支払っている生命保険料は、多くのものが申告すれば一定額の所得控除を受けることができます。所得控除することで課税所得が減るため、その分だけ節税になります。今回は生命保険料控除の方法とその効果について解説します。


生命保険料控除の対象の保険、対象外の保険

一定要件を満たす生命保険契約を締結して保険料を支払った場合、一定額をその年の保険契約者の所得から控除できる制度を生命保険料控除と言います。生命保険会社、JA共済、全労済などの共済団体とのほとんどの契約が対象となりますが、以下の契約は対象となりません。少額短期保険会社の保険商品や住宅ローンを借りる際に加入する団体信用生命保険、ケガの保障などは対象外です。

このように対象とならない保険があるものの、申告の際には保険会社から届く保険料控除証明書を添付して申告します。届いているものは対象となる保険種類ということで、間違いはないでしょう。また、対象となるはずなのに保険料控除証明書が届いていないというケースは保険会社に連絡して送ってもらいましょう。

生命保険料控除の対象外の保険

保険期間が5年未満の貯蓄保険や貯蓄共済。外国生命保険会社等又は外国損害保険会社等と国外において締結した保険。少額短期保険、団体信用生命保険、傷害保険契約、財形貯蓄契約、財形住宅貯蓄契約、財形年金貯蓄契約、契約始期が2012年1月1日以降の災害割増特約、傷害特約、災害入院特約など。


生命保険料控除には3種類ある

どのような生命保険商品に加入しているかで使える生命保険料控除の種類が異なります。生命保険料控除には「一般生命保険料控除」「介護医療保険料控除」「個人年金保険料控除」の3種類があります。それぞれの保険料控除はどれか一つだけ使えるのではなく、すべて重複して利用することができます。

2012年1月1日より新しい保険料控除の仕組みに変わっています。2011年12月31日までの旧制度では「一般生命保険料控除」と「個人年金保険料控除」の2本立てで、このころの契約は現在も旧制度が適用されます。2012年1月1日からの新制度ではこの2つに「介護医療保険料控除」が加わり3本立てとなりました。
医療保険や介護保険などは契約日を確認してみましょう。2011年12月31日までの契約日になっていれば旧制度の一般生命保険料控除、2012年1月1日以降であれば新制度の介護医療保険料控除の対象となります。

<図表>生命保険料控除の対象となる主な保険種類

一般生命保険料控除 終身保険、定期保険、収入保障保険、養老保険など
(契約始期が2011年12月31日までの)
医療保険、医療費用保険、ガン保険、介護保険、介護費用保険、所得補償保険、就業不能保険、災害割増特約、傷害特約、疾病入院特約、災害入院特約など
介護医療保険料控除 (契約始期が2012年1月1日以降の)
医療保険、医療費用保険、ガン保険、介護保険、介護費用保険、所得補償保険、就業不能保険など
個人年金保険料控除 個人年金保険料控除税制適格特約をつけた個人年金保険


旧制度は最高5万円、新制度は最高4万円の控除額

生命保険料控除は年間払込保険料から以下のように計算されます。旧制度では一般生命保険料控除(以下、一般)と個人年金保険料控除(以下、年金)の2種類で、それぞれ最高5万円(住民税は3万5千円)の控除を受けることができました。ちなみに年間10万円の保険料(配当や割戻金を控除した実質的に支払った保険料)を支払っていれば、最高額の5万円の控除を受けることができますが、年間払込保険料が10万円を超えると20万円でも50万円でも一律5万円の控除額になります。

新制度になった2012年1月1日以降は一般と年金に加え介護医療保険料控除(以下、介護医療)も加わったことで、それぞれの控除限度額が最高4万円(住民税は2万8千円)へと下がりましたが、合計額は最高12万円(住民税は7万円)へと拡充されました。

<図表>生命保険料控除(所得税)のしくみ(カッコ内は住民税分)

<図表>生命保険料控除(所得税)のしくみ(カッコ内は住民税分)

<図表>旧制度の生命保険料控除

所得税 住民税
年間払込保険料額 控除される金額 年間払込保険料額 控除される金額
25,000円以下 払込保険料全額 15,000円以下 払込保険料全額
25,000円超
50,000円以下
(払込保険料×1/2)+12,500円 15,000円超
40,000円以下
(払込保険料×1/2)+7,500円
50,000円超
100,000円以下
(払込保険料×1/4)+25,000円 40,000円超
70,000円以下
(払込保険料×1/4)+17,500円
100,000円超 一律50,000円 70,000円超 一律35,000円

<図表>新制度の生命保険料控除

所得税 住民税
年間払込保険料額 控除される金額 年間払込保険料額 控除される金額
20,000円以下 払込保険料全額 12,000円以下 払込保険料全額
20,000円超
40,000円以下
(払込保険料×1/2)+10,000円 12,000円超
32,000円以下
(払込保険料×1/2)+6,000円
40,000円超
80,000円以下
(払込保険料×1/4)+20,000円 32,000円超
56,000円以下
(払込保険料×1/4)+14,000円
80,000円超 一律40,000円 56,000円超 一律28,000円


合計の控除額はこうして計算する

新制度に代わることで合計額が拡充するなどメリットはあったのですが、新旧制度が入り乱れることになりとても申告がややこしくなりました。実際どのように保険料控除が受けられるのか計算方法を確認しましょう。
まず、支払保険料を生命保険会社から届く保険料控除証明書で確認します。途中で解約していない限り、参考で記載されている12月期月分まで支払う予定の保険料合計を使って計算します。

次に適用制度が新制度か旧制度か、どの種類の保険料控除に該当するのか確認しましょう。保険料控除証明書は新制度、旧制度で違うフォーマットのものが届くことが多いようです。また、一般用、医療介護用、個人年金用と分けて記載されています。
それぞれ該当する保険を列挙し支払っている保険料がわかったら、具体的な控除額は以下のように計算します。以下は所得税の場合ですが、住民税も同様の計算を行います。

<図表>生命保険料控除の計算方法

(1)一般生命保険料控除を計算する

[1] 新制度の年間払込保険料を合計し控除額を計算する(最高4万円)
[2] 旧制度の年間払込保険料を合計し控除額を計算する(最高5万円)
[3] [1]と[2]の控除額を合計する(4万円を超える場合は4万円)
[4] [2]と[3]の大きい方が適用される控除額(最高5万円)

(2)介護医療保険料控除を計算する

すべて新制度なので年間払込保険料を合計し控除額を計算する(最高4万円)

(3)個人年金保険料控除を計算する

[1] 新制度の年間払込保険料を合計し控除額を計算する(最高4万円)
[2] 旧制度の年間払込保険料を合計し控除額を計算する(最高5万円)
[3] [1]と[2]の控除額を合計する(4万円を超える場合は4万円)
[4] [2]と[3]の大きい方が適用される控除額(最高5万円)

(4)控除額合計を計算する

(1)~(3)で計算した控除額を合計する。合計控除額は最高12万円までなので、12万円を超えた場合は12万円。超えていなければその額が合計控除額になる。


手間はかかるが活用できるなら活用しよう

このように現状の制度では所得税で合計12万円、住民税で合計7万円を上限に保険料控除を受けることが可能です。もしもこれだけの保険料控除を受けることができるなら、その額を所得から差し引くことができるため課税所得が小さくなります。その分だけ税金が安くなるという仕組みです。
たとえば、所得税率が5%の人で計算してみましょう。生命保険料控除が合計12万円であれば所得税が年間6千円分安くなります。住民税は一律で10%なので合計7万円の生命保険料控除であれば住民税が7千円安くなります。つまり所得税と住民税を合計すると1万3千円の節税効果です。

収入を増やすのが難しい時代。手間はかかりますが、少しでも節税できるなら手間を惜しまず申告しましょう。ただし、節税ができるからと言って必要のない保険に加入するのは本末転倒です。あくまでも必要な保険に加入する際に、実質的な負担を小さくする方法として利用しましょう。



藤川太(家計の見直し相談センター) 執筆:藤川太家計の見直し相談センター
ファイナンシャルプランナー。山口県出身。慶応義塾大学大学院理工学研究科を修了後、自動車会社で燃料電池自動車の研究開発に従事していたが、ファイナンシャルプランナーに転身し、「家計の見直し相談センター」で生命保険の見直しを中心とした個人向け相談サービスを展開している。同センターは2001年の設立以来10000世帯を超える相談を受けてきた。「分かりやすい、納得できる、利用しやすい」サービスを目指して活動中。
2008年10月、簡単書き込みで家計がみるみる生まれ変わる資産マネジメント手帳『貯まる!資産3倍手帳』を出版。 その他の著書として『サラリーマンは2度破産する』などがある(共に朝日新聞出版)。



(情報提供:家計の見直し相談センター)


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