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iDeCo発進!老後資金はこれで貯めよう

2016年11月25日
iDeCo発進!老後資金はこれで貯めよう

下流老人、老後破産、こんな恐ろしい言葉を聞く機会が増えました。自分は関係ないよ、と思いつつも不安がよぎります。安心できる老後生活のためには「3,000万円」が必要なんて記事もよく目にします。実際にはそこまで貯めなくても生活設計次第でどうにでもなるのですが、お金があった方が余裕があるのは事実。老後資金を少しずつでも貯めていきたいものです。

コツコツ積立して老後に年金を受け取る。老後資金を貯める商品といえば、多くの人が「個人年金保険」を思い浮かべるのではないでしょうか。もう一つ、忘れてはいけないのが「確定拠出年金」です。これは保険商品ではなく年金制度の一種ですが、個人年金保険と似たような特徴も併せ持った制度です。これらの商品や制度のメリットやデメリットを理解して上手に活用し老後資金を作りましょう。


来年1月から変わる!個人型確定拠出年金制度

確定拠出年金制度には「企業型」と「個人型」の2種類があります。企業型は文字通り、確定拠出年金制度を導入している企業に勤める人が利用できるものです。もともと企業年金制度があったような大企業中心に導入が進んでいます。一方で、個人型はこうした企業年金制度がないような企業や、自営業の人が加入できる制度でした。

この個人型の確定拠出年金制度が2017年1月から拡充されます。これに合わせ「iDeCo(イデコ)」という愛称も決まりました。
この制度拡充により、公務員や専業主婦も利用できるようになります。さらに企業年金の加入者も条件はあるものの上乗せで利用できるようになります。つまり現役世代の人であれば、みんなが使える制度になります。

<図表1>来年1月から公務員や主婦も利用できるようになる

図表1 来年1月から公務員や主婦も利用できるようになる

※企業型DCを導入済みの企業では合計額で利用可能額が調整されます。
厚生労働省「確定拠出年金法等の一部を改正する法律案」より


iDeCoは個人年金保険と何が違うか

個人年金保険は何歳になったら年金が○万円もらえるといった具合に、将来の給付額が決まっています(配当次第で増える可能性もあります)。一方でiDeCoはあらかじめ決めた掛け金を積み立て、自ら決めた方法で運用し、その積立額と運用益によって給付額が決まる制度です。つまりiDeCoは決まっているのは積み立てる掛け金だけ。運用成果は自己責任という制度で、将来いくら年金が受け取れるか分かりません。

そう考えると、このiDeCoにはメリットがないようにも思えますが、魅力が沢山ある制度なのです。一番の魅力は何と言っても税制のメリットです。個人年金保険と比較しながら、見てみましょう。

<図表2>iDeCoと個人年金保険の比較

  個人型確定拠出年金
iDeCo
個人年金保険
積立時 全額所得控除 控除額:最大4万円/年
年間保険料8万円超の場合
(住民税の計算では控除額は最大2.8万円/年
年間保険料5.6万円超の場合)
運用期間中 非課税 非課税
受け取り時 一時金:退職所得控除
年金:公的年金等控除
差益部分が雑所得として課税
途中引出 原則できない
(要件を満たせば脱退一時金を受け取れる)
解約すれば解約返戻金が受け取れる
解約返戻金を元手に契約者貸付が可能


積立時の魅力は所得控除で税金が安くなること

まずは積立時を見てみましょう。iDeCoの最大の魅力は掛け金が全額所得控除になることです。つまり積み立てた額分を所得から差し引くことができるので、その分の所得税と住民税が安くなるわけです。こうした所得控除は個人年金保険にもあります。ただ、個人年金保険の控除額は所得税の計算時に最大4万円(年間の保険料支払いが8万円超の場合)、住民税の計算時に最大2.8万円(年間の保険料支払いが5.6万円超の場合)を所得から差し引けるのみ。
iDeCoは掛け金が全額所得控除になるなら、たくさん積み立てたい!と思っても積立額に上限があるので注意が必要です。

たとえば、自営業者(国民年金の第1号被保険者)は月6万8千円(年間81万6千円)が上限です。これであればほとんどの人が上限を気にせず使えるかもしれません。ところが、公務員や企業年金制度がある会社員は月1万2千円(年間14万4千円)が上限です。こうなると多めに積み立てたい方には十分ではなさそうです。

こうした積立額の上限があるものの、やはり全額所得控除になるのは魅力ですね。ここで月1万2千円(年14万4千円)ずつ積み立てるとして、iDeCoと個人年金保険でどの程度の税制メリットがあるのか計算してみましょう。所得税率が5%、住民税率が10%の年収400万円程度の方で計算してみました。

<図表3><所得税率5%、住民税率10%の場合の税制メリット>

3333 個人年金保険 iDeCo
所得税 2,000円
(40,000円×5%)
7,200円
(144,000円×5%)
住民税 2,800円
(28,000円×10%)
14,400円
(144,000円×10%)
合 計 4,800円 21,600円

このように税制メリットは所得税と住民税を合わせて個人年金保険は4,800円、一方のiDeCoは2万1,600円となりiDeCoの圧勝です。当然ながら、この税制メリットは税率の高い所得の高い人ほど大きくなっていきます。逆に専業主婦の方の様に税金を払っていない人にはメリットはないということです。


運用期間中はそれぞれ非課税もiDeCoに大きなメリット

運用期間中の運用益に対してはそれぞれ非課税となります。ただし、個人年金保険は一般的に年金額があらかじめ決まっているのでそのメリットを感じることはあまりないでしょう。一方で、iDeCoは運用益次第で給付額が決まります。途中で税金がかかるかどうかで運用実績が大きく変わってしまいます。

iDeCoでは「複利効果」を期待して長期に運用することが基本です。この複利効果とは元本が生み出した利益をさらに運用することで、利益が利益を生んでまるで雪だるまのように大きくなる効果のことです。
たとえば、利率年3%で運用できるとしましょう。毎年利益を受け取ってその利益を運用には回さないとすると10年間で元本の1.3倍になります。もしも受け取る利益を再び運用に回すようにすると10年間で元本の約1.34倍になります。複利効果で運用成果が大きくなっていることが分かります。

ただ、このせっかくの複利効果も利益に対し税金を払っていくと小さくなってしまいます。たとえば、毎年の利益に対し約20%の税金がかかるとしましょう。税引き後の利益も含めて10年間複利運用すると元本の約1.27倍にしかなりません。
iDeCoでは運用期間中は非課税なので複利効果を最大限利用することができるのです。ちなみにこのメリットは所得の多寡は関係ありません。専業主婦でもメリットを受けることが可能です。


受け取り時のメリットは微妙

個人年金保険を年金として受け取るときは雑所得として総合課税されます。払った保険料部分は所得ならず利益部分のみが所得になりますが、老後も働くなどして所得がある状態で上乗せで受け取ると税率が高くなる可能性があります。

一方のiDeCoも一時金で受け取るなら退職所得控除、年金として受け取るなら公的年金控除という大きな控除が受けられます。ただ、こちらも他の所得の状況によっては税率が高くなる可能性もあります。明確にメリットとは言いづらいところです。


iDeCoで運用するお金は途中で引き出せないので注意

途中でお金が必要になった!というときには、個人年金保険であれば中途解約することでお金を受け取ることが可能です。ただし、中途解約の場合には支払った保険料総額よりも戻ってくる解約返戻金の方が少ない可能性が高いので注意が必要です。また、解約までしなくても、解約返戻金を担保に契約者貸付を受けることも可能です。

一方のiDeCoは原則60歳までは払い出しができません。節税メリットがあるからと言って、将来の資金繰りに支障がでるような額の積立をしないように注意が必要です。
また、iDeCoは加入時の手数料や口座管理費などの各種のコストがかかります。あまりに少額の積立では、コスト負担の方が重くてメリットが出ないケースも考えられます。自分で運用方法を決めなければなりませんので、それが面倒だという人には向かないかもしれません。

以上のように魅力の多いiDeCoを優先的に活用して老後資金を作りたいところです。iDeCoでは積立額が足りないという人は、個人年金保険など他の金融商品をさらに上乗せして活用というイメージで老後資金の積み立てを設計すると多くの人にとって効率的でしょう。



藤川太(家計の見直し相談センター) 執筆:藤川太家計の見直し相談センター
ファイナンシャルプランナー。山口県出身。慶応義塾大学大学院理工学研究科を修了後、自動車会社で燃料電池自動車の研究開発に従事していたが、ファイナンシャルプランナーに転身し、「家計の見直し相談センター」で生命保険の見直しを中心とした個人向け相談サービスを展開している。同センターは2001年の設立以来10000世帯を超える相談を受けてきた。「分かりやすい、納得できる、利用しやすい」サービスを目指して活動中。
2008年10月、簡単書き込みで家計がみるみる生まれ変わる資産マネジメント手帳『貯まる!資産3倍手帳』を出版。 その他の著書として『サラリーマンは2度破産する』などがある(共に朝日新聞出版)。



(情報提供:家計の見直し相談センター)


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