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保険業法改正

2015年12月25日
保険業法改正

2016年、私たちの保険との付き合い方が変わりそうです。
2016年5月29日に改正保険業法が施行されます。
これまでの保険営業の方法を大きく変える可能性のある大改正です。
今回は、どうしてそのような大改正が行われるのか、どのような背景で、どのような内容の改正なのか見ていきましょう。


保険商品や営業チャネルが多様化

死亡、医療、年金、がん、介護、傷害などなど、生命保険分野だけ見ても保険商品は多様化する一方です。多様化すればするほど、商品について知ることも、理解することも難しくなります。その中でも、商品を選択し加入することが求められます。

また、誰から保険に入るかも大きな問題です。かつては、職場や自宅に営業職員が来て保険の営業をすることが普通でした。
ところが、個人情報の保護や機密の保持といった点から職場に営業職員が来ることも少なくなりました。一方で、保険代理店やインターネット保険会社などが登場するなど、保険への加入チャネルも多様化しています。

その中でも、1996年の保険業法改正の際に認められた乗合代理店が、2000年代に入って急成長しています。
乗合代理店とは複数の保険会社を取り扱う保険代理店のことです。
以前はどこかの保険会社専属の代理店しか存在していませんでしたが、現在では複数の保険会社を扱う乗合代理店が当たり前になっています。

乗合代理店の中には「保険ショップ」と呼ばれる形態で、ショッピングセンターや街角のビルに出店する会社も多いので心当たりのある方も多いでしょう。こうした代理店は大規模化しており、販売店としての力をつけてきています。


多発するトラブルに対応

こうした変化が起きる中、残念ながらトラブルが多発していました。
私たちの相談センターへも保険営業を巡るトラブルが持ち込まれたことは数知れません。そのトラブルとは、以下のポイントに集約されます。

① 顧客の意向や事情を無視した営業

私たちの相談センターへ持ち込まれたケースでは、病気が心配で医療保険に加入したい人に、死亡保障が厚く、一方で医療保障が薄い保険を設計し「医療保険」として販売していたケースも。

また別のケースでは、将来に住宅ローンの返済や子どもの教育費の支払いが見込まれるにも関わらず、高額な保険料が必要な終身保険に加入させていました。実際に住宅を購入する際に「こんなに保険料を払えないから解約したい」と来られましたが、解約すると大きく損をする内容で大変困っていました。

複雑な保険の仕組みを理解していない人であれば、プロが提案した内容ですから疑問を持つことなく加入するかもしれません。提案した人に悪意があったかどうかは分かりませんが、後々こうして問題が表面化しトラブルに発展することがあります。

② 代理店の利益のための営業

よりよい条件の商品があるにも関わらず、販売しても手数料が安いと提案しないという代理店が残念ながらありました。その代理店はいい商品を中立的に勧めるとアピールしているにも関わらず、自社にメリットのある手数料の高い商品だけ勧めていました。これは明らかに顧客への背任行為と言えるでしょう。

今回の保険業法改正はこうしたトラブルに対応する内容となっているのです。


目玉は推奨理由の開示と比較説明義務

この業法改正内容の中で、私たちの保険との付き合い方を一番変えそうなのが、推奨理由の開示と比較説明の義務化です。これまでの規制はこうした商品比較を禁止はしないものの、不適切な比較行為の禁止ばかりで実質的に比較がしにくい仕組みでした。ところが、今回の業法改正は、不適切な比較行為は引き続き禁止ですが、商品情報など顧客が保険商品を選びやすいよう必要な情報を積極的に提供するよう明文化されました。
5月29日の改正保険業法施行後に乗合代理店で行われる営業の方法は、多くのケースで以下のような形になることが予想されます。

(1) 意向把握

死亡保障に加入したい、掛け捨てはイヤ、といった顧客の意向を把握、確認するのはこれまでも当たり前に行うべきことですが、明確に法律で義務付けされました。
これによって、保険募集人は情報を保管しなくてはならなくなるため、顧客の意向を把握するためにアンケートなどを使って情報を収集し、確認することになるでしょう。

(2) 比較・推奨

確認した意向に沿った商品を複数おすすめします。その際にはどのような理由で絞り込んだのか、どのように意向に沿っているのかを説明します。また、代理店独自の基準で商品を推奨することも可能です。
「手数料の高い商品」「資本関係のある会社の商品」といったものでも、その基準を顧客に公開した上であれば問題ありません。
最終候補に挙がった商品について比較すべき事項を偏りなく説明して、さらに絞り込んでいきます。

(3) 提案・説明

把握した顧客の意向に沿った保険プランを、設計書を作成し提案します。設計書に基づいて提案内容を詳細に説明します。

(4) 振り返り

最終的な意向と当初の意向を比較して、意向が変化している場合は相違点と相違が生じた経緯を説明し顧客とともに確認します。

(5) 契約

最終的な意向と申込を行う契約内容が一致しているか確認し、よければ申し込み手続きを実行するという流れです。

このように複数の保険会社を扱っている乗合代理店で保険に加入する場合には、推奨理由の開示や商品の比較説明を受けることになります。
消費者から見ると当たり前に見えますが、残念ながら行われていないことが多かったのです。これが仕組み化されますので、より安心して保険選びをすることができるようになりそうです。


面倒でも保険商品は比較して選ぼう

全国の保険代理店がこうした保険業法改正に対応して体制整備を進めています。
それに伴い、これまでお世話になっていた募集人の方が辞めてしまったというケースもあるかもしれません。募集人に限らず、こうした変化に対応できず廃業を余儀なくされる代理店も出て来るかもしれません。それほど大きな変化が保険代理店に訪れています。
顧客から見ても、記入する書類が増える、判断する内容が増えるなど、面倒と思う方も多くいると思われます。ただ、今回の改正は消費者にとってメリットの大きい改正でもあります。時間も手間もかかりますが、これを機会にしっかりと商品を比較・検討し、自分に合ったよりよい保険に加入しましょう。



藤川太(家計の見直し相談センター) 執筆:藤川太家計の見直し相談センター
ファイナンシャルプランナー。山口県出身。慶応義塾大学大学院理工学研究科を修了後、自動車会社で燃料電池自動車の研究開発に従事していたが、ファイナンシャルプランナーに転身し、「家計の見直し相談センター」で生命保険の見直しを中心とした個人向け相談サービスを展開している。同センターは2001年の設立以来10000世帯を超える相談を受けてきた。「分かりやすい、納得できる、利用しやすい」サービスを目指して活動中。
2008年10月、簡単書き込みで家計がみるみる生まれ変わる資産マネジメント手帳『貯まる!資産3倍手帳』を出版。 その他の著書として『サラリーマンは2度破産する』などがある(共に朝日新聞出版)。



(情報提供:家計の見直し相談センター)


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