トップ > 保険通信 > プロがお届け! お役立ちコラム > 「告知してないけど、2年経てば大丈夫」って本当?
保険通信 - プロがお届け! お役立ちコラム

「告知してないけど、2年経てば大丈夫」って本当?

2010年06月21日
「告知してないけど、2年経てば大丈夫」って本当?

数ヶ月前に医療保険に加入したAさん。保険に加入して一安心と思いきや、とても不安そうにしています。「実は、わざと健康状態の告知を書かなかったんですよね…」とAさん。ある人から「黙って加入しても、2年間給付金の請求をしなければ大丈夫」と聞いたそうです。本当に大丈夫なのでしょうか。


2年以内なら契約解除の可能性も

どうやらAさんは3年前に胃がんの手術をしたようです。現在は調子もよく、定期的に検査に行く程度になっています。この事実を告知すると保険に加入させてもらえないと考え、わざと告知義務違反をしてしまったようです。

生命保険に加入する際には、保険契約者や被保険者は保険会社に対して健康状態等について正しく伝える(告知する)義務を持っています。これを告知義務といいます。告知義務違反とは事実と違うことを告知してしまうことはもちろん、Aさんのように事実を告知しないことも該当します。

この告知義務に故意もしくは重大な過失によって違反したことがわかると、保険会社はその保険契約(または特約)を解除することができます。ただし、保険会社が解除できるのは、原則として責任開始日(保障が開始する日)から2年以内となっています。Aさんはこの2年という数字を聞いたのでしょう。

<告知義務違反とは>
理由は 故意または重大な過失によって事実を告知しなかったり、事実と違うことを告知すると
いつまで 責任開始日(保障の始まる日)から2年以内であれば
どうなる 保険会社は保険契約または特約を解除することができる

2年経過後も契約解除されるケースはある

原則としては責任開始日から2年経過すれば保険会社が持っている解除権は消滅します。ところが、これはあくまで原則論ですから安心はできません。実は2年経過しても保険会社が保険契約や特約を解除できるとする例外があるのです。

まず、1つ目は、保険金や給付金の支払い事由などが2年以内に生じていた場合です。Aさんは2年間給付金の請求をしなければ大丈夫と聞いたと言っています。ところが実際には、2年以内に入院や手術などの支払い事由が発生していれば、給付金の請求をしなかったとしても保険会社はこの契約を解除することが可能なのです。

これだけではありません。特に重大な告知義務違反と認められれば、詐欺による取り消しを理由として解除されることがあるのです。

<2年経過後も解除されることがある事由>
(1)保険金や給付金等の支払い事由、保険料の払込免除事由が2年以内に生じていた場合
(2)告知義務違反の内容が特に重大な場合

詐欺取り消しには前例も

告知義務違反の内容が特に重大というのは、現在の医療水準では治すことが非常に難しい病気、または死亡する可能性が極めて高い病気にかかっていたり、過去にかかったということを故意に告知をしなかった場合が想定されます。Aさんは3年前に胃がんの手術をしたことを告知していませんから、要件に該当してしまう可能性が高いと思われます。

現実には告知義務違反の内容が特に重大とされ詐欺による取り消しを適用されてしまうケースはそれほど多くはありません。有名な事例としては、2005年に発覚した保険金不払い問題のときに報告されたことがありました。このときは、保険会社が保険金を払いたくないために悪意を持って詐欺による取り消しを適用させたと判断できるものだったので大問題となりました。

実際にAさんが胃がんの手術について告知しなかったことを、責任開始日から2年経過後に保険会社が知ることになったときに保険会社がどう判断するかはわかりません。詐欺による取り消しが適用される可能性もあると考えておいたほうが賢明でしょう。


医療リスクなら貯蓄でカバーも

たしかに、3年前に胃がんの手術をしたAさんは、まともに告知をすれば普通の医療保険に加入するのは難しいでしょう。だからと言って、告知義務違反をしてまで加入するのは賛成できません。

というのも、安心するために保険に加入したことで「解除されるかも」とずっと不安でいなくてはならないのです。保険料というお金を払ってわざわざ不安になるなんてわりにあいません。

さらに、実際に契約解除となった場合、それまでに払った保険料は返ってきません。(2)の詐欺による取り消しであれば何も返ってきませんし、通常の告知義務違反による解除や、(1)の保険金や給付金等の支払い事由、保険料の払込免除事由が2年以内に生じていた場合の解除は、解約返戻金を返すというケースが多いようです。でも、最近の医療保険は解約返戻金のないタイプが多いので結局は何も返ってこないと考えたほうがいいのです。

保障が得られないどころか、それまで払った保険料もすべてパーという重いペナルティが待っている告知義務違反をして加入するよりも、払うつもりの保険料をコツコツと貯めた方が合理的でしょう。貯蓄に余裕があるAさんは、結局は医療保険を解約し貯蓄で備えることにしました。



藤川太(家計の見直し相談センター) 執筆:藤川太家計の見直し相談センター
ファイナンシャルプランナー。山口県出身。慶応義塾大学大学院理工学研究科を修了後、自動車会社で燃料電池自動車の研究開発に従事していたが、ファイナンシャルプランナーに転身し、「家計の見直し相談センター」で生命保険の見直しを中心とした個人向け相談サービスを展開している。同センターは2001年の設立以来10000世帯を超える相談を受けてきた。「分かりやすい、納得できる、利用しやすい」サービスを目指して活動中。
2008年10月、簡単書き込みで家計がみるみる生まれ変わる資産マネジメント手帳『貯まる!資産3倍手帳』を出版。 その他の著書として『サラリーマンは2度破産する』などがある(共に朝日新聞出版)。



(情報提供:家計の見直し相談センター)


保険商品のご紹介

Yahoo!保険では、Yahoo! JAPANグループの保険代理店ワイズ・インシュアランスが厳選した保険をお届けしています。

バックナンバー




プライバシー - 利用規約 - ヘルプ・お問い合わせ
Copyright (C) 2019 Y's Insurance Inc. All Rights Reserved.
Copyright (C) 2019 Yahoo Japan Corporation. All Rights Reserved.