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先進医療最新情報

2010年03月01日
先進医療最新情報

先進医療費を保障する先進医療特約が付けられる保険が増えてきました。昨年も「先進医療ってどのくらいお金がかかるの?(2009年7月21日)」で先進医療の実態について報告しました。今年も1月20日に最新データが中央社会保険医療協議会から公表されました。昨年と同じように先進医療の最新事情を見てみましょう。


目立つ、患者数の伸び

「先進医療」と呼ばれるのは保険の効かない医療技術を、保険診療の併用することを厚生労働省が特に認めたものです。先進医療特約はこの認められた医療技術を、認められた医療機関で受けたときに、かかった先進医療費を給付するものです。

認められている先進医療の技術数は100件前後で推移しています。どんどん新しい医療技術が認められていますが、一方で健康保険が適用になったり、患者数が少なく廃止された技術もあるので安定した推移となっています。

今回目立ったのは患者数の伸び。20013人と2008年6月期に比べ倍以上に膨らみました。また、先進医療費の総額は65億円と前年比38%増と大幅に伸びました。

<先進医療の実績>
期間

技術数
(種類)

全患者数
(人)

先進医療費
(億円)

2006年7月1日~2007年6月30日 117 14,179 49
2007年7月1日~2008年6月30日 91 9,579 47
2008年7月1日~2009年6月30日 107 20,013 65

一件あたりの先進医療費ランキング

一件あたりの先進医療費をランキングすると、今回も1位、2位は昨年と変わらず1位が重粒子線治療、2位が陽子線治療でした。それぞれがん治療の先端技術です。金額は重粒子線治療が302万円、陽子線治療が276万円。件数は大幅に伸び重粒子線治療は779件(前年比22%増)、陽子線治療は821件(前年比34%増)でした。

第3位は脊椎腫瘍に対する腫瘍脊椎骨全摘術で、先進医療費が100万円を超えるのはここまでの3つのみ、それ以外はすべて100万円未満の技術です。4位も強度変調放射線治療とがん治療が続きます。この技術に関しては健康保険の適用が検討されていますが、がん治療はお金がかかるという状況は変わっていません。

<1件あたり先進医療費ランキング>
 

1件あたり
先進医療費

先進医療
総額

件数

平均
入院日数

1 重粒子線治療(※1) 302万円 23億5514万円 779 24.1日
2 悪性腫瘍に対する陽子線治療(※1) 276万円 22億6544万円 821 22.9日
3 脊椎腫瘍に対する腫瘍脊椎骨全摘術(※2) 201万円 2621万円 13 64.5日
4 強度変調放射線治療(※3) 75万円 1731万円 23 10.7日
5 根治性前立腺全摘除術における
内視鏡下手術用ロボット支援(※4)
67万円 2085万円 31 17.4日

件数ランキング

一方で件数ランキングを見てみると、前回に引き続き「乳がんにおけるセンチネルリンパ節の同定と移転の検索」が1位でした。件数は1万1394件と前年比3倍以上に増えました。ただ、かかる費用は約5万円。これくらいなら貯蓄から支払うことも十分できるでしょう。全患者数が2倍以上になった要因はこの技術の患者数が増えたことですが、これも健康保険の適用が検討されています。実際に適用されることになれば先進医療から外れることになりますので、翌年の全患者数は激減することになると思われます。

2位の「腫瘍性骨病変及び骨粗鬆症にともなう骨脆弱性病変に対する経皮的骨形成術」は1000件を若干超えていますが、それ以下はいずれも1000件未満しかありません。先進医療は身近なものとは言えない状況です。

この中で、目立つのはやはり悪性腫瘍に対する陽子線治療と重粒子線治療。金額が高いだけでなく、件数でもトップ5に入っているので要注意です。

<件数ランキング>
 

件数

先進医療
総額

1件あたり
先進医療費

平均
入院日数

1 乳がんにおけるセンチネルリンパ節の同定と移転の検索 11,394 5億7171万円 5万円 10.6日
2 腫瘍性骨病変及び骨粗鬆症にともなう骨脆弱性病変に対する経皮的骨形成術(※5) 1,039 1億5988万円 15万円 15.9日
3 胎児心超音波検査(※6) 966 1034万円 1万円 4.7日
4 悪性腫瘍に対する陽子線治療(※1) 821 22億6544万円 276万円 22.9日
5 重粒子線治療(※1) 779 23億5514万円 302万円 24.1日

※1固形がんに係るものに限る。
※2原発性脊椎腫瘍又は転移性脊椎腫瘍に係るものに限る
※3限局性の固形悪性腫瘍(頭頚部腫瘍、前立腺腫瘍又は中枢神経腫瘍であって、原発性のものを除く)に係るものに限る
※4前立腺がんに係るものの限る
※5転移性脊椎骨腫瘍、骨粗鬆症による脊椎骨折又は難治性疼痛を伴う椎体圧迫骨折若しくは臼蓋骨折に係るものに限る。
※6産科スクリーニング胎児超音波検査において心疾患が強く疑われる症例に係るものに限る。

先進医療特約は先物買いのような保障

このデータを見ただけでは、先進医療特約に加入するかどうか判断するのは難しいものです。ここでちょっと頭の体操をしてみましょう。

先進医療特約の保険料はおおむね月70~100円程度。数百万円の先進医療を受けても保険金が出るのに、月100円程度の保険料ならとても割安に感じます。ただ、全国民がこの特約に加入すれば年間1000億円程度の保険料を払うことになります。一方で2009年6月末までの1年間の先進医療費総額は65億円。つまり、先進医療特約の給付率は10%未満しかないということです。先進医療を受ける機会が少ないということを、この数字は物語っています。

もちろん、今回は前年比で患者数が倍に増えたように、将来は先進医療がもっと身近な医療になるかもしれません。すぐに役に立つ保障というよりも、先物買いのような保障ということを理解して加入しましょう。



藤川太(家計の見直し相談センター) 執筆:藤川太家計の見直し相談センター
ファイナンシャルプランナー。山口県出身。慶応義塾大学大学院理工学研究科を修了後、自動車会社で燃料電池自動車の研究開発に従事していたが、ファイナンシャルプランナーに転身し、「家計の見直し相談センター」で生命保険の見直しを中心とした個人向け相談サービスを展開している。同センターは2001年の設立以来30000世帯を超える相談を受けてきた。「分かりやすい、納得できる、利用しやすい」サービスを目指して活動中。
著書に『年収が上がらなくてもお金が増える生き方』(プレジデント社)、『やっぱりサラリーマンは2度破産する』(朝日新書)などがある。



(情報提供:家計の見直し相談センター)


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