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熊本地震でわかった~日本には地震に無縁な地はない

2016年05月25日
熊本地震でわかった~日本には地震に無縁な地はない

2016年4月14日熊本県熊本地方を震度7(M6.5)の地震が襲いかかりました。そして追い打ちをかけるように16日にも震度7(M7.3)の本震が襲いました。これにより、死者49人、負傷者1583人、全壊住宅2452戸(2016年5月4日消防庁発表)という大きな被害が出てしまいました。被災者の方々が一日も早く通常の生活を送れるようになるといいのですが、まだ余震が続いており不安な日々が続いていると思われます。私たちは熊本に何ができるかを考え行動するとともに、自分たちの地震への備えについても一度確認しておきたいところです。


地震保険は各地域の地震のリスクの大きさに応じて料率が決まります。全国の料率を見てみると、熊本は全国でも最低ランク。つまりもっとも地震のリスクの小さい県と見られていました。東日本大震災で甚大な被害を受けた福島や岩手も最低ランクの県でした。過去に大きな地震の経験が少ない地域の方は、うちは大丈夫、と思いがち。でも日本に住む限りは、地震に無縁な地はないと考えておいた方がよさそうです。

地震への備えは、地震発生から生活を安定化させるまでに発生するであろう問題点を、それぞれの段階ごとに考えつつ行うことが必要です。


1.地震が発生!

まずは身を守ることが大切です。家具や家電が倒れる、重量物が落ちてくる、などで大けがをしたり、最悪の場合では命を落とす恐れがあります。土砂くずれ、建物の倒壊、によって下敷きになることも想定されます。海抜の低い地域では津波にも警戒しましょう。

対策

(1)棚や家具、家電の転倒防止対策をしましょう。

ホームセンターやネット通販などで転倒防止器具が販売されています。私は東日本大震災の際に震度5強を経験しましたが、すべての家具や重量のある家電などに転倒防止器具を取り付けていたおかげで、本が一冊床に落ちただけの被害で済みました。効果絶大です。

(2)住宅の耐震診断、耐震補強をしましょう

1981年に建築基準法が改正され、建物の耐震基準が変わりました。改正以降の新しい耐震基準は「新耐震基準」、それ以前は「旧耐震基準」と分けられます。旧耐震基準に比べ、新耐震基準は建物がより強い地震でも耐えられるように決められています。これは強い地震でも建物が壊れないということではなく、周囲や家の中にいる人に被害が出ないことを目標としたものです。実際に熊本地震で震源となった益城町では新耐震基準の建物が51戸全壊しました(2016年5月10日現在)。

旧耐震基準の建物が強い地震ですべて倒れるというわけではありませんが、耐震性を高めることは安心につながります。旧耐震基準の建物に住んでいる方は「耐震診断」をしてみましょう。多くの自治体で診断にかかる費用の一部または全部を助成してくれる制度があります。

診断によって耐震基準を満たさないと判定された建物は、強い地震によって大きな被害が出る可能性が高いということ。耐震改修工事を行い建物の耐震性を高めることが望まれます。耐震改修の工事費用も自治体によっては一部を助成してくれますので、お住まいの自治体に問い合わせしてみましょう。また、耐震改修した工事費用は住宅耐震改修特別控除や住宅ローン控除などの対象になることも。工事業者や税務署に確認してみましょう。

(3)ハザードマップを調べよう

地震による倒壊、火災、土砂崩れや津波の危険度は自治体が発表しているハザードマップを調べてみましょう。各地域の危険度に応じて色分けされた地図が公開されています。危険度が高いとされている地域であればより強い危機感を持って対策を取りましょう。場合によっては転居も含めて検討すべきでしょう。

国土交通省ハザードマップポータルサイト http://disaportal.gsi.go.jp/


2.避難生活

大きな地震の後は避難所や車中などで、しばらく避難生活が続くかもしれません。地域一帯の上下水道、電気、ガスなどの生活インフラが途絶えている可能性も高いです。全国各地から水、食料、毛布といった支援物資が送られるでしょうが、必要な場所へ必要な量がすぐに届くとは限りません。特に東日本大震災のように広域で被害が出た場合には、物資が届くまで時間がかかります。手元にある物資が少ない中、周囲の人たちと助け合いながら命をつなぐ必要があります。

対策

(1)水と食料などの備蓄をしましょう

まずは命をつなぐという意味では水と食料をしっかりと備蓄しておきたいところです。人間は1日2~3リットルの水を尿や汗などで排出すると言われます。飲料用、食事用として2~3リットル/日を確保したいところです。4人家族であれば8~12リットル/日です。食料もカンパンや缶詰など長期に保存できるものを。できるだけ多く備蓄したいところですが、そんなに保管できるスペースがないのも実情でしょう。物資がなかなか届かないことも想定し、できれば3日分は備蓄しておきたいところです。

また、お風呂の水を抜かないでおけば、トイレ用の水としても利用できます。流すためには1回10リットル近く必要と言われますが、節水型のトイレであれば5リットル程度でも流せます。ただし、下水道が破断していることも想定されます。破断していれば自分たちの汚物が流出することに。水が必要のない歯ブラシ、生理用品、紙おむつ、携帯トイレなども備蓄しておきたいところです。

(2)車の燃料をこまめに入れておきましょう

大きな地震の後は余震が続きますので、どうしても精神的に不安定になりがちです。自宅がいつ崩れるか分からないと思えば、夜も眠れません。たくさんの人がいる避難所では落ち着かないという人もいるでしょう。ペットがいれば避難所にも入れないという人も。車があれば車でしばらく生活する方も多くいます。

また、被災地を離れ遠くへ避難することも考えるかもしれません。車の燃料を入れようと思っても、災害時には大行列ができるでしょうし、給油制限がかかる可能性も高いでしょう。日ごろからできるだけ満タンに近い状態を保っておきたいところです。また、ハイブリッド車などのように燃費のいい車を選んでおけば、少ない燃料で遠くまで避難することもできます。

(3)携帯コンロ、ラジオなどを準備しましょう

キャンプ好きの方であれば、家にテントや寝袋、携帯コンロなどを持っているかもしれません。キャンプをしない方でもカセットコンロを燃料のカセットガスとともに保管しておけば災害時に助かります。また、災害時には情報がなかなか入ってきません。こんなときに役に立つのがラジオです。ラジオはあまり使われなくなりましたが、非常用のラジオは手回し発電機がついているものが多くあります。ライトがついたり、携帯電話やスマートフォンを充電できるなど多機能なものです。特に災害時は携帯電話やスマートフォンを充電できないと不安になるものです。ぜひ1家に1台置いておきたいところです。

(4)家族で非常時の連絡方法を確認しておきましょう

地震が深夜に発生すれば家族が同じ場所にいる可能性は高いでしょう。ところが日中に発生すれば、家族が別々の場所で被災する可能性が高くなります。大きな地震の後は混乱しますので、家族の安否を確認することが困難になります。職場や学校で被災したら、通勤、通学途中で被災したらと日ごろの行動パターンを想定して避難場所や避難経路を家族で確認しましょう。

災害時には電話や携帯電話はほとんどつながらなくなりますが、公衆電話はつながりやすいです。最近はあまり見られなくなりましたが、生活圏にある公衆電話の場所を確認しておきましょう。また、通信は比較的使えますので、電子メールやSNSを使った連絡方法を確認しておきましょう。通信キャリアによってサービスは異なりますが、災害伝言ダイヤルや災害伝言版といったサービスもあります。家族で利用方法を確認しておきましょう。


3.生活の再建

着の身着のままで避難をすれば、やはり頼りになるのは「お金」です。直後はお金があっても物資がなく何も買えないかもしれません。また、さまざまな支援があっても最低限のもの。徐々に落ち着きを取り戻し始めれば、お金が必要になってきます。

対策

(1)やはり貯蓄はしておきましょう

東日本大震災の際に半年間各地の避難者住宅を転々とした方からご相談を受けたことがありますが、半年間にお金が100万円近くかかったそうです。住宅や家具など支援をしてもらえるものは多いのですが、長期の避難生活となれば季節ごとに家族の衣服なども必要になります。食費もかかります。意外に多くのお金がかかります。こんなときにしっかりと貯蓄があれば心強いでしょう。

(2)地震保険に加入しておきましょう

地震によって家が被害を受けても住宅ローンは減りません。建替え・大規模修繕ということになれば2重のローンに苦しむことになりかねません。金融関係の相談を受けられるよう、金融庁は無料の相談ダイヤル(フリーダイヤル0120-156-811)を東日本大震災でも熊本地震でも設置しています。

こうした問題に苦しまないためにも地震保険への加入はしておきたいところです。一般的に地震保険は火災保険の保険金額の半分までしか加入できないため「役に立たない」と考える方も多いようです。確かに地震保険では住宅を建て替えることは難しいかもしれませんが、地震保険金が出ると出ないでは生活の再建スピードに格段の差が出ることを知っておきましょう。

また、自動車保険も一般の車両保険では地震や津波の被害では保険金が支払われませんが「地震・津波・噴火担保特約」を付加することで補償されるようになりますので車をお持ちの方は加入を検討しましょう。


地震への備えは保険への加入だけではありません。家具の転倒防止から備蓄、家族とのコミュニケーションまでさまざまです。しかも、ここに書いたことだけでは足りないかもしれません。おそらく一つ一つを実行していくには時間がかかりますし、大変なエネルギーが必要です。普通の生活をしている中では実行しようという気にはならず先送りをしてしまうのではないでしょうか。

まずは被災地に物資が向かうべきなのでいますぐ備蓄していくというのは控えたいですが、保険の加入などは今でも問題ありません。こういう時だからこそ一つ一つの対策ができているかどうか家族でチェックし、できていない項目があれば対策を取っていきましょう。



藤川太(家計の見直し相談センター) 執筆:藤川太家計の見直し相談センター
ファイナンシャルプランナー。山口県出身。慶応義塾大学大学院理工学研究科を修了後、自動車会社で燃料電池自動車の研究開発に従事していたが、ファイナンシャルプランナーに転身し、「家計の見直し相談センター」で生命保険の見直しを中心とした個人向け相談サービスを展開している。同センターは2001年の設立以来10000世帯を超える相談を受けてきた。「分かりやすい、納得できる、利用しやすい」サービスを目指して活動中。
2008年10月、簡単書き込みで家計がみるみる生まれ変わる資産マネジメント手帳『貯まる!資産3倍手帳』を出版。 その他の著書として『サラリーマンは2度破産する』などがある(共に朝日新聞出版)。



(情報提供:家計の見直し相談センター)


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