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地震保険は本当に支払われるの?

2015年07月23日
地震保険は本当に支払われるの?

6月11日に噴火が確認された浅間山に続き、6月30日に箱根山も小規模ながら噴火した模様です。日本にはたくさんの火山がありますが、これらが徐々に活発化しています。また、噴火ももちろんですが、大規模な地震の発生にも引き続き警戒が必要です。地震、噴火、津波による被害は通常の火災保険ではほとんど補償されません。これらの自然災害の専門保険である地震保険に加入してカバーすることになります。ただ、この地震保険、平成23年3月11日に発生した東日本大震災によって、保険金支払いが1兆2241億円(平成24年4月2日現在)にも達しました。これだけの被害があった後に、また大きな地震や噴火が発生してしまったら、地震保険に加入していても保険金が支払われないのでは、と考える人は少なくないようです。政府や損害保険各社はどのような対策を取っているのか見てみましょう。


来年秋以降地震保険料を値上げへ調整中

政府と損害保険会社各社が地震保険料を来年秋以降、さらに値上げするよう調整している、と報道されました。今回の上げ幅は全国平均でなんと19%、最大で50%値上げされる見通しなのだそうです。

昨年7月にも地震保険の保険料の引き上げが行われました。この際には全国平均で15.5%、上限は30%の引き上げでした。続いての保険料引き上げのニュースですし、今度の引き上げは前回よりもさらに大幅なものになっています。

昨年12月、政府の地震調査研究推進本部が警戒されている南海トラフなどの巨大地震を踏まえた新しい地震発生確率を公表しました。従来よりも大きな規模の地震まで考慮するなど新しいモデルを用いて再計算されました。その結果、想定される被害が従来よりも大きくなりました。それに合わせて、地震保険制度の持続可能性を高めるために保険料を引き上げようということです。


地震保険の総支払限度額は7兆円

地震保険は東日本大震災のように巨大な自然災害が発生すると巨額な保険金を支払う必要があります。本来は地震保険を運営する損害保険各社が負担すべきではありますが、それでは負担しきれるのかどうか心配ですね。ですから、支払いが巨額になった場合には、その一部を政府が負担することになっています。

ただ、政府が負担といっても無限に負担をするわけにはいきません。そのために、保険金の総支払限度額が定められています。この限度は、地震保険への加入状況を見つつ、関東大震災級の地震が発生した場合でも支払保険金の総額がこの額を超えないように余裕を持って設定されています。

平成27年6月現在では保険金総支払限度額は7兆円となっています。東日本大震災の保険金支払いが1兆2000億円あまり。そう考えると関東に大震災が来ても十分余裕があるように見えます。なお、この限度額は地震の被害想定が大きくなるだけでなく、地震保険への加入が増えるにつれ限度額を大きくすることになっています。

<図表>地震保険の保険金総支払限度額
実施日 保険金
総支払限度額
うち政府
負担限度額
うち保険会
社負担限度額
平成21年4月~ 5兆5,000億円 4兆3,012億5,000万円 1兆1,987億5,000万円
平成23年5月~ 5兆5,000億円 4兆7,755億5,000万円 7,244億5,000万円
平成24年4月~ 6兆2,000億円 5兆7,120億円 4,880億円
平成25年3月~ 6兆2,000億円 5兆9,595億円 2,405億円
平成26年4月~ 7兆円 6兆7,386億円 2,614億円


保険会社が蓄積した危険準備金には余裕がない状態

ただ、注目したいのは7兆円の限度額のうち保険会社の負担限度額が2614億円しかないこと。残りの6兆7386億円は政府が負担します。

保険会社はこうした保険金支払いに備えて危険準備金といわれるお金を積み立てます。平成23年5月以降に保険会社の負担限度額が1兆1,987億5,000万円から大きく下がっていったことを見るとわかるように、東日本大震災によって保険会社がこの危険準備金を急激に取り崩したことが分かります。

政府負担分については、「地震保険に関する法律」基づいて支払われることになっています。政府には「地震再保険特別会計」という特別会計が設けられており、ここに積立金が蓄積されています。平成26年3月末時点の積立金残高は1.1兆円。政府の負担限度額の6兆7386億円には大きく足りませんが、積立金を上回る負担となった場合でも政府が借入をするなどして限度額までは支払うことになっています。

地震保険はこのように政府がしっかりバックアップしてくれるからこそ成り立つ制度です。ただ、本来的には保険会社の危険準備金をどんどん蓄積をしていくことが地震保険を維持するために重要です。そのためにも保険料の値上げが予定されているのです。値上げは家計にとって厳しい話ですが、この歪な現状を見ると仕方がないように思えます。


それでも限度額を超えてしまった場合はどうなるのか

万が一にもこの総支払限度額を超えるほど大きな災害が発生してしまったらどうなるのでしょうか。地震保険制度そのものが崩壊し、保険金を受け取ることができないのでしょうか。

実際には下式のように支払われます。もしも支払われるべき保険金の総額が10兆円にも及んだ場合には、総支払限度額が7兆円ですから、支払われるべき保険金の70%が支払われるということになります。

計算式


保険料が高くなっても地震保険は重要

地震保険料のさらなる値上げが予定されたことで、地震保険に加入するのをためらう人も出て来るでしょう。ただ、地震保険料が上がる背景には、地震の発生確率があがったことがあるわけです。地震保険の重要度がより上がっているといった方がいいでしょう。

もしも、地震保険料が上がるのが嫌ということであれば、地震保険は5年までの長期契約を組むことができます。保険料が上がる前に長期契約を組んでおけば、保険期間中は保険料が上がりません。長期契約をすれば負担が増えるどころか、長期割引が効くのでお得です。

地震だけでなく噴火のリスクも高まっている現状です。地震保険に加入していない人、地震保険に加入しているけど1年など短期で契約している人は、地震保険の長期契約への加入を検討しましょう。



藤川太(家計の見直し相談センター) 執筆:藤川太家計の見直し相談センター
ファイナンシャルプランナー。山口県出身。慶応義塾大学大学院理工学研究科を修了後、自動車会社で燃料電池自動車の研究開発に従事していたが、ファイナンシャルプランナーに転身し、「家計の見直し相談センター」で生命保険の見直しを中心とした個人向け相談サービスを展開している。同センターは2001年の設立以来10000世帯を超える相談を受けてきた。「分かりやすい、納得できる、利用しやすい」サービスを目指して活動中。
2008年10月、簡単書き込みで家計がみるみる生まれ変わる資産マネジメント手帳『貯まる!資産3倍手帳』を出版。 その他の著書として『サラリーマンは2度破産する』などがある(共に朝日新聞出版)。



(情報提供:家計の見直し相談センター)


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