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衝突しても安全な車から衝突しない車へ

2017年10月25日
衝突しても安全な車から衝突しない車へ

1993年、自動車の安全性革命が起こりました。1993年に「道路運送車両の保安基準」が改正され前面衝突試験が新型車に義務化されたことで、自動車各社は続々と衝突安全性についての技術を開発してきました。衝突しても乗員の安全を守る衝突安全ボディが、このころから一般的になりました。この技術によって、衝突事故を起こしても乗員の命が守られるケースが増加しました。近年はさらに衝突安全技術は進化し、乗員を守るだけの技術から、衝突した歩行者を守る技術も登場しています。


衝突しない車の技術開発が進む

衝突安全技術はあくまで「衝突しても安全な車」を作るためのもの。どうしても事故は発生してしまいます。本当の理想は事故が起こらないことです。
そんなことは不可能と思ってはダメ。もう実際に事故が起こらない車の実現に向けて技術は進化し続けています。その始まりは2008年にボルボが市販車に搭載を開始した自動停止ブレーキシステム。まさに事故を避けるための技術が投入されました。

わが国でこうした技術が有名になったのは2010年にスバルが発売を開始した「アイサイト」搭載車。CMもたくさん流れていますし、ご存じの方も多いでしょう。以降、自動車各社が自動ブレーキ搭載車を発売開始し、2016年時には新車の40%が自動ブレーキを搭載するようになっています。
こうした技術は自動ブレーキだけでありません。バックする際に車両後方や車両周辺の画像を確認できる「バックモニタ」や「アラウンドビューモニタ」、車線の逸脱を警告する「車線逸脱警告装置」、車線変更時に斜め後方の車両の存在を警告するシステムなど、安全な運転を支援する技術が続々登場しています。


自動ブレーキで事故発生件数が劇的に減少

2016年1月26日にアイサイト搭載車を製造するスバル(富士重工業)から非常に興味深い調査結果が発表されました。2010年度から2014年度に日本国内で販売したスバル車の人身事故件数を調査すると、アイサイトを搭載した車は、搭載しない車と比較して61%も事故が減少したというのです。
対歩行者の事故もほぼ半減。それだけ死傷者も減少しているはずです。より劇的に減少したのは車両などへの追突事故。何と84%も減少していました。

私も自動ブレーキ搭載車に乗っています。ブレーキをかけるタイミングが遅れた際に、自動ブレーキが発動したことがありました。この経験からも自動ブレーキのおかげで、相当数の事故が防げると思いましたが、それにしてもデータを見ると驚くべき効果です。

<図表>スバル「アイサイト(Ver2)」搭載車と非搭載車の比較(1万台あたりの発生件数)

   

事故総件数

対歩行者 対車両、 その他
  追突(内数)
搭載車(A) 61 7 54 9
非搭載車(B) 154 14 140 56
(A-B)/B -61% -49% -62% -84%


事故の減少が保険料の引き下げにつながった

こうした安全運転を支援するシステムが普及した結果、契約1台あたりの自動車保険の支払保険金額が実際に減少しています。車両保険の支払保険金は2011年度に比べ2015年度は20%以上の減少を見せています。こうした支払保険金の減少が自動車保険の参考純率を平均8.0%の引き下げる動きにつながりました。
損害保険料率算出機構が金融庁長官へ届出した内容を見ると、自動車の種別によって参考純率が下がるもの、逆に上がるものがあることが分かります。参考純率が大幅に下がるのは自家用普通乗用車や自家用小型乗用車。こちらは対人賠償責任保険、対物賠償責任保険、搭乗者傷害保険のセットで年齢条件にもよりますが8%前後の引き下げになりそうです。さらに車両保険をセットすればおおむね10%を超える引き下げとなっています。

一方で、自家用軽乗用車の場合は、逆に値上がりとなることが多そうです。これは全体としては支払保険金が減少しているものの、軽自動車だけでみると支払保険金が増えている状況が反映されたようです。

<図表>自動車保険参考純率の引き下げ例(本人・配偶者限定)

    自家用普通乗用車・
自家用小型乗用車
自家用軽四輪乗用車
年齢範囲 記名被保険者の年齢 対人+
対物+
搭乗者傷害
対人+
対物+
搭乗者傷害
+車両
対人+
対物+
搭乗者傷害
対人+
対物+
搭乗者傷害
+車両
全年齢補償  -8.3% -10.5% +7.3% +0.9%
21歳以上補償  -9.1% -11.3% +5.5% -0.2%
26歳以上補償 ~29歳  -6.4% -10.5% +8.3% +0.9%
30~39歳  -7.0% -11.4% +7.1% -0.3%
40~49歳  -8.4% -13.1% +5.1% -2.4%
50~59歳  -8.7% -13.0% +5.0% -2.3%
60~69歳 -13.9% -16.3% -0.6% -6.0%
70歳~  -5.4%  -6.1% +9.2% +5.1%


参考純率試算の前提となる契約条件

〇ノンフリート契約

〇料率クラス(自家用普通乗用車・自家用小型乗用車)
対人賠償責任保険:4、対物賠償責任保険:4、搭乗者傷害保険:4、車両保険:4

〇衝突被害軽減ブレーキ 装着なし

〇新車以外(自家用普通乗用車・自家用小型乗用車)

〇ノンフリート等級 20等級 事故有係数適用期間:0

〇保険金額・免責金額

対人賠償責任保険:無制限

対物賠償責任保険:無制限(免責金額なし)

搭乗者傷害保険:

死亡・後遺障害 1,000万円
入院日額10,000円、通院日額5,000円

車両保険:

自家用普通乗用車・自家用小型乗用車 150万円(免責金額なし)
自家用軽四輪乗用車 75万円(免責金額なし)
オールリスク補償


保険料が8%下がるわけではない

ここで発表されたのはあくまで参考純率の変化。実際に私たちが支払う保険料ではありません。参考純率は保険金支払いに充てられる純保険料を決める際に参考にされるものです。この純保険料に事業経費などを上乗せすることで私たちが実際に支払う保険料が決まります。ですから、参考純率が8%下がったからと言って、保険料が8%下がるわけでありません。一般的には8%よりも小さい割合の下げになります。

実際に保険料が引き下げになるのは来年(2018年)1月からの予定です。ここ最近は保険料の値上げばかり続いていましたから、ひさびさに家計にうれしいニュースですね。ただ、残念ながら軽自動車の方の多くは保険料の引き上げになるかもしれませんが。保険料が変化した時には、現在加入した自動車保険にこだわらず、もう一度他の保険会社の自動車保険との比較検討をしましょう。



藤川太(家計の見直し相談センター) 執筆:藤川太家計の見直し相談センター
ファイナンシャルプランナー。山口県出身。慶応義塾大学大学院理工学研究科を修了後、自動車会社で燃料電池自動車の研究開発に従事していたが、ファイナンシャルプランナーに転身し、「家計の見直し相談センター」で生命保険の見直しを中心とした個人向け相談サービスを展開している。同センターは2001年の設立以来10000世帯を超える相談を受けてきた。「分かりやすい、納得できる、利用しやすい」サービスを目指して活動中。
2008年10月、簡単書き込みで家計がみるみる生まれ変わる資産マネジメント手帳『貯まる!資産3倍手帳』を出版。 その他の著書として『サラリーマンは2度破産する』などがある(共に朝日新聞出版)。



(情報提供:家計の見直し相談センター)


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