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保険通信 - プロがお届け! お役立ちコラム

契約してから7年目が見直し時?

2009年05月11日
契約してから7年目が見直し時?
38歳のAさんはある保険会社から保険の見直しの提案を受けています。その保険会社とは結婚当時からのつきあいで、今回が初めての見直しになります。結婚したタイミングだったので進んで加入した保険ですが、今回は何のイベントもない時期に突然提案されたので戸惑っています。営業の担当者は「契約後7年目が最も有利に下取りできる」と言って新しい保険への切り替えを勧めているそうです。どうして7年目が有利になるのかよく分からないので理由を聞いていますが答えてもらえないようです。本当にいま見直しした方がいいのでしょうか。

解約返戻金について理解する

Aさんが加入している保険会社は終身保険に10年満期や15年満期といった定期型の保険を特約としてセットする保険を主力としています。一般的には定期付終身保険やアカウント型保険と言われる、死亡、医療、介護とさまざまな種類の保障がセットされた商品です。

Aさんのようなケースを理解するポイントの一つが解約返戻金です。解約返戻金とは、保険を解約したときに返してもらえるお金のこと。そこで、営業の担当者が言っていることを検証するために、40歳の男性がある会社の定期保険に加入したとして解約返戻金のカーブを見てみましょう。定期保険の保険期間は10年、保険金額は3000万円とします。

【図表】定期保険の解約返戻金のカーブ
経過年数年齢保険料累計解約返戻金
1年41歳12.0万円0.0万円
2年 42歳 24.1万円 0.0万円
3年 43歳 36.1万円 0.0万円
4年 44歳 48.2万円 0.0万円
5年 45歳 60.3万円 0.0万円
6年 46歳 72.3万円 0.3万円
7年 47歳 84.4万円 1.5万円
8年 48歳 96.4万円 1.8万円
9年 49歳 108.5万円 1.2万円
10年 50歳 120.6万円 0.0万円

このように10年満期の定期保険の解約返戻金は契約後7〜8年目がピークとなります。そこで、この解約返戻金を下取りして新しい保険へ見直す提案をしているわけです。

ただ、この解約返戻金の額は決して大きいわけではありません。と言うよりも、支払った保険料から見ると、ほとんどないと言ってもいいくらいです。若いときに加入した定期保険では保険期間中ずっと解約返戻金がゼロということもあるのです。


見直しの実質的なメリットは?

では、どうして保険会社は7年目前後に見直しを提案することが多いのでしょうか。保険会社の立場になって考えてみましょう。

まず、このまま見直しをしなければ、Aさんの保険は3年後の契約10年目に更新時期がきます。更新時には、そのときの年齢で保険料を計算しなおすので、一般的に保険料が大幅に上がってしまいます。保険会社としては保険料が上がると、ほかの保険会社へ見直しをされたり、最悪驚いたお客さんとトラブルになってしまうので、できるだけ避けたいところです。

そこで、7年目前後に見直しすれば、更新時期よりも若い年齢で計算できるので保険料の上昇幅は少し小さくなります。また、少ないとは言え解約返戻金があればそれを下取りすることでさらに保険料を安くすることができます。また、営業の担当者の立場からは、更新よりも見直しをしてくれた方が自分に入ってくる手数料が高くなります。つまり、営業上の理由が大きいわけです。

一方で、Aさんの立場で考えると、確かに月払いの保険料が安いのは支払いが楽になるのはいいことです。ところが、もしも再び10年満期の定期型の保険にするならば、更新時期より3年早く見直したら、その分保険期間が終わるのも早くなるだけです。ですから、中身が安くなったのではなく、見た目が安くなっただけと言っても過言ではありません。Aさんの実質的なメリットはほとんどありません。

しかも、この議論はすべて同じ保険会社内で見直すならという前提です。そもそも、Aさんはほかの保険会社への見直しを検討してもいいのです。Aさんは実際に他社への見直しを検討し、ほぼ同じ保障内容で大きく保険料を下げることができました。一つの会社内だけで考えて、細かなテクニックを駆使するのもいいですが、基本に戻って複数の会社で比較検討して加入するようにしましょう。



藤川太(家計の見直し相談センター) 執筆:藤川太家計の見直し相談センター
ファイナンシャルプランナー。山口県出身。慶応義塾大学大学院理工学研究科を修了後、自動車会社で燃料電池自動車の研究開発に従事していたが、ファイナンシャルプランナーに転身し、「家計の見直し相談センター」で生命保険の見直しを中心とした個人向け相談サービスを展開している。同センターは2001年の設立以来10000世帯を超える相談を受けてきた。「分かりやすい、納得できる、利用しやすい」サービスを目指して活動中。
2008年10月、簡単書き込みで家計がみるみる生まれ変わる資産マネジメント手帳『貯まる!資産3倍手帳』を出版。 その他の著書として『サラリーマンは2度破産する』などがある(共に朝日新聞出版)。



(情報提供:家計の見直し相談センター、監修:ワイズ・インシュアランス株式会社)


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