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増え続ける空き家! 火災保険はどうする?

2015年03月25日
増え続ける空き家! 火災保険はどうする?

少子高齢化が進むにつれ、わが国の空き家問題は深刻化しています。先日私が出演した報道番組でも空き家問題が取り上げられました。数年前まではあまり注目されない話題ではありましたが、ここにきて一気に注目を浴びてきた感があります。特に地方の実家を相続でもらい受けた人たちが、売却できない、他人に貸すこともできない、と悩んでいるケースが目立ちます。どうにもできないのであれば、建物を空き家のままで放置せず、建物を崩して更地にした方がよさそうです。でも、実はそうはうまくいかないのです。


増え続けるわが国の空き家

国土交通省から公表された住宅・土地統計調査によると、平成20年からの5年間で空き家が約63万戸増え約820万戸になりました。その結果、平成25年の空き家率は13.5%にまで上昇し過去最高となりました。ただ、平成20年の空き家率は13.1%ですから、5年間で0.4ポイントしか上昇していません。過去最高の空き家率とはいえ、思ったよりも上がっていないという印象です。

(図表1)わが国の空き家の状況
年 次 総世帯数 総住宅数 空家数 空家率
2003(平成15)
2008(平成20)
2013(平成25)
47,255
49,895
52,102
53,891
57,586
60,628
6,593
7,568
8,195
12.2%
13.1%
13.5%
(単位:千世帯)

ただ、これは東日本大震災の影響が大きいと考えられます。東日本大震災では100万戸以上の住宅が被害を受けました。多くの方が故郷を離れ、現在も生活しています。これだけの被害を受けても、空き家率は下がることなく上昇したわけですから空き家の増加基調は強いと言えるでしょう。

今後も空き家は増え続けますし、その増加は加速していく可能性さえあります。わが国の人口はすでにピークアウトし、減少が始まっています。国立社会保障人口問題研究所の推計によると、5年後の平成32年には平成27年よりも260万人近く減少し1億2135万人になるとされています。本格的な人口減少時代と言ってもいいでしょう。

一方で単身世帯や子なし夫婦が増加を続けており、平成31年までは世帯数が増加を続けると予測されています。ただ、平成32年からはついに世帯数まで減少に転じるのです。

(図表2)わが国の世帯数の推移
年 次 一般世帯数 一般世帯
人 員
(1,000人)
総 数 単 独
2010(平成22)
2015(平成27)
2020(平成32)
2025(平成37)
2030(平成42)
2035(平成47)
51,842
52,904
53,053
52,439
51,231
49,555
16,785
17,637
18,270
18,648
18,718
18,457
125,546
123,968
121,356
117,824
113,681
109,091
(単位:千世帯)


空き家を崩すには高いハードルが

このように人口減少時代に突入し、世帯数減少時代へもあとわずかで突入する。そんな時代でも毎年100万戸近い新築住宅が建築されています。このままでは空き家がどんどん増えていき、そう遠くない未来には空き家率が20%を超えるのは確実視されるところです。

もちろん新築のペースよりも早く、古い建物をドンドン崩していけば、空き家は減っていきます。ところがそうは簡単には行きません。2つの大きな問題が立ちはだかっているからです。

一つ目は、取り壊し費用の問題です。木造の一戸建てを解体するには200〜300万円の費用がかかるのが一般的です。土地を高く売却できるのであれば問題ないですが、売れない不動産をわざわざこれだけの費用をかけて解体しようとする人はあまりいないでしょう。

次に固定資産税の問題です。居住用建物が建っていれば固定資産税は特例で減額されています。取り壊して更地となれば、この特例が適用できなくなるため固定資産税が6倍に跳ね上がってしまうことも。年5万円の固定資産税を払っている土地なら、年30万円になるということ。しかも、毎年のことなので大変です。


空き家のままにするにも高いリスクが

こうした問題から空き家が増え続けているのですが、放置され続けいわゆる“廃屋”となってしまう空き家が社会問題となりつつあります。崩れて危険というのはもちろん、放火や不法占拠のリスクも高くなります。近隣の住民にとっては、こうした空き家が増えていくのは迷惑でしかありません。

こうした背景から「空き家対策特別措置法」が今年の2月26日に施行されました。この法律によって、廃屋同然で放置しておくことが危険とみなされると「特定空き家」に指定され、行政が指導、勧告、命令、行政代執行できるようになります。そして、固定資産税の優遇がなくなり、更地と同じとなる可能性がある恐ろしい法律です。


空き家にも火災保険を

空き家といえども、しっかりと管理することが求められるようになりました。売却できない、貸せない、更地にできないなら、空き家にも火災保険をかけておくことが望まれます。ただし、残念ながら一部の保険会社を除き、空き家には火災保険をかけることができません。空き家への火災保険を引き受けているある保険会社で空き家に火災保険をかける場合の保険料を見てみましょう。

(図表3)ある保険会社での空家の火災保険料
所在地
構 造
専有面積
建築年月
保険期間
保険種別
保険金額
東京都
木造
120m2
昭和45年1月
1年
家庭用火災保険
2700万円(免責金額1万円)
建物のみ


居住中
空き家
一時払保険料
45,330円
81,120円

このように、空き家に火災保険をかけることができたとしても、保険料が79%も高くなっています。これだけでなく、放火されて近隣に迷惑をかける場合を想定し、個人賠償責任保険や類焼損害保険もかけておくとより安心でしょう。

今後は多くの人がこの空き家問題に直面することでしょう。空き家のままにしておいても高い火災保険料や固定資産税を負担しますし、更地にするにも解体費用や非常に高い固定資産税を負担することになります。どちらを選択しても大変です。空き家問題はこれから年々深刻になります。不動産は売却できるうちに売却することを基本スタンスに取り組みましょう。



藤川太(家計の見直し相談センター) 執筆:藤川太家計の見直し相談センター
ファイナンシャルプランナー。山口県出身。慶応義塾大学大学院理工学研究科を修了後、自動車会社で燃料電池自動車の研究開発に従事していたが、ファイナンシャルプランナーに転身し、「家計の見直し相談センター」で生命保険の見直しを中心とした個人向け相談サービスを展開している。同センターは2001年の設立以来10000世帯を超える相談を受けてきた。「分かりやすい、納得できる、利用しやすい」サービスを目指して活動中。
2008年10月、簡単書き込みで家計がみるみる生まれ変わる資産マネジメント手帳『貯まる!資産3倍手帳』を出版。 その他の著書として『サラリーマンは2度破産する』などがある(共に朝日新聞出版)。



(情報提供:家計の見直し相談センター、監修:ワイズ・インシュアランス株式会社)


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